ちりこ落とし

(図32)ちりこ落とし
鉄線利用する場合、荷(材木)の前方は輪にして後方のみ綱で括り、向かふ(取り場)に着いて荷が突き当たると後方の綱が解ける仕掛けあり。
(仕掛けを)説明すると、A部に縄を括りつけて丸太を置いて上へ引き上げ、一方小丸太によって末端ははね上がらぬようにしておいて、Bが外れれば末端Cが矢印の方向にピンとはね上がって、A部が外れて抜けてくる。

 

 

 

 

股木 かたぎ

(図33)股木・かたぎ
股木(木の股で作ったからだろう)
かたぎ(かたげる-かつぐからだろう)(股木・かたぎにする)樹種は問はぬが、同じくらいの角度に分かれた枝を一対探すのが厄介である。(服装は)上はソデナシ、下にハンチャ、下半身はカルサ。

猿まわし

(図34)猿まわし
自分が7ツ位までやって来て、座敷と牛のオリヤで踊らせた猿まわし。
猿と牛、どんな関係があるのか知らないが、オリヤの中へ猿の骨を埋めたり、猿の手首を切って柱へ釘で打ちつけてあった。(猿は)主人の顔色で舞ひをするが、横を向いたら悪戯をする。(牛舎を)オリヤまたはマヤと言ふ。居り屋のことか。
こんな御礼をくれたので柱に貼った。角、面、首がバ力に細長い牛だったことが妙に記憶あり。此の処の文字は覚えず。(読み得なかった)

淡島様

(図35)淡島様
背負ふ人の尻を拝ましてもらって御さい銭を上げた。お□□など一軒一軒門付けした。御本尊の恰好ははっきり覚えていない。只長さ3センチ位のわらぢを付けてゐたのが記憶にあり。

 

 

 

 

 

牛の御器


(図36)牛の御器二種(図中では食器に「ゴキ」のルビがある)
(図の御器は)比較的小さい牛用。材木をくりぬいて槽を作った。牛の大きさにより大小様に、材質も不問。浦地(東直晴家)では杉の古株で作っていた。(牛が)大きくなれば四斗樽を用いる。
・注-御器(ゴキ)というのは飼料を入れる器のことで、村内では猫、犬の食器もこう呼ばれた。但し、牛の場合に限っては力イバオケ(飼葉桶)と称していた。

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