梵鐘(ぼんしょう)

●佐々木高綱寄進の梵鐘(重文)

梵字[ぼんじ]を刻んだ釣鐘で神仏混淆[こんこう]の時代、玉置山にあったものである。
元暦元年(1184)正月、源義仲の軍勢を前に、梶原景季と宇治川の先陣争いを演じた佐々木高綱が献納したものと伝えられ、應保三年(1163)癸巳三月三日の銘がある。鐘は高さ84.2cm、口径46.8cmである。陀羅尼[だらに]などの梵字が22行に陽鋳されている。
銘のある鐘では、全国で11番目に古いとされ、小型ではあるが鐘としての優秀性は他に例が極めて少なく、梵字の字くずれのないのは特記すべきことといわれている。
昭和31年(1956)県の重要文化財に指定された。
因みにこれは、十津川村の重要文化財指定の第一号である。後昭和34年(1959)国指定重要文化財となった。