大字五百瀬、五百瀬小学校校門近くに山家には珍しく格式のある表門をもつ家がある。政所[まんどころ]と呼ばれ、建築年代のはっきりしている建物では、この地方で最も古いものといわれている。
 棟札には享保十(1725)乙巳年十一月□日と記されており、表門は薬医門[やくいもん]形式で、嘉永六年(1853)丑十一月二十三日 奉修覆と記されている。
 昭和55年(1980)主屋・表門・棟札が県指定有形文化財となった。
 平維盛[たいらのこれもり]伝説によれば、小松姓を名乗る維盛の子孫が、平家の宝刀小烏丸[こがらすまる]を代々伝えて住んでいたといわれるが、明治になって没落、小烏丸の行方も一家離散と共にわからなくなったという。

●政所(現辻家 五百瀬)