国王神社と例祭

 大字上野地字河津、南帝陵の下方河原近くに、国王神社がある。
 長慶天皇をお祭りしてあり、例祭は11月1日である。
 この祭りは古例により行なわれ、現在まで殆んど変わっていないという。
 祭りは7ヵ大字の氏子によって当屋[とうや]と称する祭典の担当を決め、当屋の大字より3童子を三役とし、つるべをつけた榊を持つもの、御幣を持つもの、指示をするもの夫々を分担し、又三童子の父が桧で編んだ籠に供餅を入れて持ち、氏子一同が直垂[ひたたれ]或いは裃[かみしも]に大小という扮装をし、壮年の1人が「表白」と称する、歌い手となり、全国有名な神号を唱え、一同「万歳楽」と唱和しつつ上野地より境内に行列をつくって練り込み祭式を挙げるのである。
 「国王神社」の神額は大久保利通公の揮毫[きごう]になるものである。

●大久保利通公書

●武者行列

●国王神社