瀞八丁( どろはっちょう )

“三国にまたがる声や
ホトトギス”(読み人知らず)

とうたわれた如く、瀞峡は、和歌山県・三重県・奈良県(十津川村神下)の三県にまたがる峡谷で、その幽邃美[ゆうすいび]は古くから世に知られ、今も数多くの観光客が訪れている。
かつてはプロペラ船が轟音[ごうおん]を発して、新宮瀞峡間を航行していたが、今は志古[しこ]・瀞峡間をジェット船が行きかっている。
近年、道路の開通によって、十津川側から陸路瀞峡探勝が楽しめるようになった。

瀞八丁にて

與謝野鉄幹
“紀の峡[かひ]に青の瀞観るつと思ふ
君が髪より そよかぜぞふく”

與謝野晶子
“わが小指絹となぶれるそれよりも
かかる筏を渡す水かな”

●ジェット船の行く瀞峡