木挽作業


(図48)木挽作業
昔は、杉檜を伐ると木挽職人が5人も6人も木場掛けをして、競争で小板何間挽いたと云ふて稼いだものだ。その板を横に背負って狭い山道を横歩きで舟便の処まで出したと云ふ。
-木挽歌-
こびきャョー 山ァでョー ー升めしョー くろーゥョー
アア シッチコ シッチコ

田戸の中作市老


(図49)田戸の中作市老は、煙草吸ひの記録者
150グラム包の刻み煙草がスッポリ入り、なおマッチ箱まで入る「ヤロ」をいつも腰につってゐた。一日に50グラム平らげた。柴巻きを朝起きると晩寝るまで、口から離さなかった。「ヤロ」は、欅の皮で作ってある。

柴巻き煙草


(図50)柴巻き煙草
熊野路や 煙管なくとも 須磨の浦 青葉くはへて 口は敦盛
柴巻きには椿の葉が最適で、殆ど是を用ゆ。少々火に焙って、軟らかくして巻く。
常日頃は、斧・鉈を両刀並に打ち込んで、炭焼き・木樵・椎茸作りに奥山を駆け廻りおれど、盆や正月には帯刀に大たぶさ(髪型)、なかなか巾を利かせたとのこと。断髪令後も嚴たるものありしと云ふ。

少年時代の玩具


(図51)我等少年時代の玩具
はじき鉄砲-唐竹で作った。筒先から石や茶の實を入れて弾く。
吹き矢-あま竹のなるベく節間の長いものを用ゆ。中の節は、節の半分くらいを外から穿って、節内側をきれいにくり抜く。そして仕上がり後、厚紙を巻き密閉する。矢は細い割竹に円錐型に紙を巻付けて作る。
突き鉄砲-にが竹の身の厚いもので、節間を用い、まづ紙を噛んで詰め込む。そして細い突き竹で先端まで押し出しておく。次、二弾目を強く押し出すと圧搾空気で、初めの紙玉が飛び出す。突き竹は、一發が筒に殘るだけ短くすること。
くぐつ-鳩、つぐみ、百舌、雀を捕る。おびき寄せる餌は、鳩に樫の實、つぐみ・ひっかつ・あほどりにはシゲン玉やヤブコウジの實、雀には米・粟、もんず(モズ)には、小鳥の骸などを使った。

のぞき(玉置祭り)

(図52)のぞき-我等の少年時代、玉置祭りに来てゐた。これを一所懸命覗いたものである。記憶に殘るものでは、伊藤博文侯のハルピン遭難の場面、節をつけて説明する。「六連發のピストルでェ 打ち出す弾は侯爵の- 胸に當りて大騒ぎ- ………」今もある紙芝居と同じであるが、レンズで大きく見ゆる様にしてあった。極彩色の画が、次々に変はり、節面白く説明するので樂しみだった。




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