(二) 動詞の十津川言葉

 

(5)動詞の命令形の十津川言葉

(イ)五段及びカ変の動詞の命令形の場合

五段活用の動詞や、カ変の動詞の命令形は「書け」「来い」といって「よ」をつけないのが正しい。然し十津川では「書けよ」「来いよ」と「よ」をつける。

例)
読め  読めよ
話せ  話せよ
行け  行けよ
乗れ  のれよ

(ロ)下一段、上一段及びサ変の場合

下一段活用の動詞、上一段活用の動詞及びサ行変格活用の動詞の命令形に於ては「分けよ(ろ)」、「見よ(ろ)」、「せよ」、或は「しろ」と「よ」か、「ろ」をつけるのが正しい。
然し十津川では、「わけー」「みー」「せー」と語尾をのばして「よ」「ろ」をつけない。「よ」をつけることがあっても、「わけーよ」「みーよ」「せーよ」と語尾をのばした後でつける。「ろ」は絶対につかわない。

例)
埋めよ(ろ)  うめー  うめーよ
落ちよ(ろ)  おちー  おちーよ
せよ・しろ   せー   せーよ