(六) 連体詞の十津川言葉

 

(1)連体詞のつかい方

この本はおもしろい

上の「この」という言葉は「本」という体言を修飾しています。このように主として体言の修飾につかう言葉を連体詞といいます。
連体詞は活用がなく、自立語で主語にもならない。これに属する標準語は次の如くである。

あの あらゆる 小さな 右の 左の
或る 大きな とんだ どの
かの かかる たった 例の わが
その おかしな ほんの 去る 変な
この たいした 細かな いわゆる

(2)連体詞の十津川方言

方言 説明
・あれがあな あんな
・いかい 多くの
・えらい 多くの
たいした
ひどい
・がいな ひどい
・ぎょうさんな たくさんな
・ごつい 大きな
・こまい 小さな
細かな
・これがあな こんな
・それがあな そんな
・ちっこい 小さい
・ちびっこい 小さい
・ちっぽけな 小さな
・ちびっとの 少しの
・でこい 大きい
・でっかい 大きい
・どえらい たいした
大きな
多くの
・どてこい 大きな
・ひょんな 不思議な
つまらない
・よけいの 多くの
余分の
・わんがの 自分の
・わんがいの 自分の家の
・どれがあな どんな
・くだらん つまらない