『世界遺産』とは

1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」、いわゆる『世界遺産条約』にもとづき、人類共有のかけがえのない財産として「国際的」に保護・保全していくことが義務づけられている「遺跡」や「建造物」、「自然」などのことです。
世界遺産に登録されるには、ユネスコの「世界遺産委員会」において、資産の内容が、他に類例のない固有のものであり、国際的に決められた判定基準に照らして「願書で普遍的な価値」があると認められることが第一の条件です。また、資産の価値にふさわしい、有効な保存管理が手厚くなされていることも、必要条件となっています。

2002年7月現在、世界で730件、日本では11件が登録されています。登録される資産の数が増えるにつれ、一つの国からは同じ種類のものを重複して登録しないことになり、したがって、現在登録されているものは、世界各国の歴史や文化、自然を代表する資産といえます。
また、各国の政府から世界遺産として正式に推薦する前に、その概要をあらかじめ届け出ることも決まりのひとつで、2001年4月には、吉野・大峯、熊野、高野の各霊場と参詣道が、「紀伊山地の霊場と参詣道」として「世界遺産暫定リスト」に記載されました。

日本の世界遺産

物件名 所在地都道府県 登録年
1 法隆寺地域の仏教建造物 奈良県 1993
2 姫路城 兵庫県 1993
3 屋久島 鹿児島県 1993
4 白神山地 青森県・秋田県 1993
5 古都京都の文化財 京都府・滋賀県 1994
6 白川郷・五箇山の合掌造り集落 岐阜県・富山県 1995
7 厳島神社 広島県 1996
8 広島平和記念物(原爆ドーム) 広島県 1996
9 古都奈良の文化財 奈良県 1998
10 日光の社寺 栃木県 1999
11 琉球王国のグスクおよび関連遺跡群 沖縄県 2000

※屋久島と白神山地は自然遺産、そのほかは文化遺産

世界遺産へ登録するには?

世界遺産への登録にあたっては、国からユネスコ世界遺産センターに対して推薦書の提出、専門機関による調査、年に1回開催されるユネスコ世界遺産委員会での審議という順序を踏まなければなりません。
また、世界遺産としての登録には、近い将来、国が世界遺産として推薦する予定の候補物件を掲げた世界遺産暫定リストに記載される必要があります。
現在、日本国内では、「紀伊山地の霊場と参詣道」のほか4件がこの世界遺産暫定リストに記載されています。

世界遺産暫定リストに記載(2001年4月)

国から世界遺産センターに推薦書の提出

国際的な専門機関による現地調査

ユネスコ世界遺産委員会での審議