コ |
〔食〕ワッパ(メッパ)やサイコ(ワッパ)のフタに対してミ(本体)をいう。 |
ゴー |
〔名〕タケノゴー(竹筒=タケヅツのこと)(竹筒)。 |
コーキ
(古木) |
〔林〕10年生以上、25年ぐらいの植林。大木。(西中)。 |
コーコ |
〔食〕漬菜。オクモ。クモジともいう。昔は、コナヅケくらいのものだった(谷垣内)。 |
コーラゴ |
〔植〕タケニグサ。杉山を切ったあとなどに直ぐ生えてくる。茎に入っている虫は疳[かん]の虫に効く(上葛川)。 |
コアイ |
〔農〕苗の左右の間隔。これに対し、前後のそれをマチという(小坪瀬)。 |
コイ
(鯉) |
〔動〕 |
ゴイ |
〔動〕土穴を掘って巣を作る白い鳥。 |
コイサ |
〔時〕今夜。ヨーサ、コンヤとも(串崎・那知合)。 |
コウ |
〔地〕地名中の「川」をコウ、ゴウと読む場合が多い。片川=カタコウ、(大野と大谷の小字):出谷川=デダニゴウ(神納川の支流):立合川=タッチャイゴウ(北山川の支流)など。 |
ゴウ |
〔地〕→コウ。 |
コウカ |
〔植〕合歓木[ねむのき]。ネブ。 |
コウギョウ |
〔農・年〕牛耕の始まる前に、牛を慣らすため、特定のコウギョウダ(田)で、1日牛を走らせて遊ぶこと。下北山村では盛んだったが、十津川村では例がことに少ない。紀州系の行事(玉置川)。 〔注〕コウギョウダは、神下小字下葛川でも行われ、集落で最も大きな水田に牛が集められた。ここでは、各戸の田植えが終わった日に一種の祝い=余興として行われ、犂を付けられた牛が一斉に笞で追われて走り出す。笞を持つ人は各戸の主人で、叩かれる牛、追う主人の真剣な様子が面白く、集落中の楽しい行事であった。競争する牛も人も、もちろん泥だらけで、それはそれは面白い光景であった。 |
コウギョウダ |
〔農・年〕→コウギョウ。 |
コウクソガミ
(楮糞紙) |
〔製〕粗楮紙(内腹)。 →コウゾクソガミ |
ゴウザン
(郷山) |
〔村〕十津川郷有林、即ち村有林。 |
コウジ |
①〔年・植〕柑子。正月神に供え、これ(とカキ)をいただいて年を取る。何か気の利いたことをすると「やっぱりコウジヨケ(余計)スワットラ」などという(谷垣内)。 ②〔農〕仔牛(田戸)。 ③〔農・食〕子芋(谷滴)。イモコウジとも、山天ではコジイモ、竹筒・上葛川ではイモコウジ。他に、コウジイモ、イモノコウジ、コジイモなど。 |
コウジイモ |
〔農・食〕子芋(谷瀬・宇宮原)。谷瀬ではイモコウジともいう。 →コウジ |
ゴウシカタギ
(郷士気質) |
〔名・村〕 |
コウジハナ
(糀花) |
〔食〕糀のもと。味噌には小麦の糀がよい。 |
コウシン
(庚申) |
〔信〕百姓、ツクリの神として各大字に祀られ、青面金剛童子の御姿を浮彫りした石像が多い。庚申講は、廃絶した所が多いが、土地を貰うには庚申の日が吉いという。鶏が病気になると参る(那知合)。谷瀬・神山・下葛川などでは、物がなくなれば庚申像を縄で括る。 →コウシンギ、コウシンコウ、コウシンノザ(コウシンザ)、コウシンマチ。 |
コウシンギ
(庚申木) |
〔信〕初庚申の日、ナベツカミ、ワサ(罠)、ホウキを吊るした注連縄を張り渡したジケ境の木。伐らぬ(山天・三浦・川津大津越など)。cfハツコウシン |
コウシンコウ
(庚申講) |
〔信〕(竹筒・宇宮原)。例えば、竹筒では、廻り持ちのトウヤヘ集まって共食し、夜半の1時頃帰った。この晩は、「人のことを言うてでも坐れ」といい、「話は庚申の晩にせい」という言葉もある。庚申さんにオカイ(茶粥)を供えれば、「灰つかみこむ」といって、厳禁。ボタモチ(おはぎ)または餅を供える。コウシンマチという所もある。 |
コウシンザ
(庚申座) |
〔信〕①庚申講(出谷)。 ②庚申待ちのヤド(五百瀬・七色)。 |
コウジンサン
(荒神様) |
①〔信〕三宝荒神。火の神。禁忌が多い。大字西中では、ジザー(自在鈎)を指すことが多い。 ②〔天〕雷のことを「コウジンサン」と呼んでいた老人がいた(串崎)。 |
コウシンダンゴ
(庚申団子) |
〔信・食〕庚申の日に作って供える(今西)。 |
コウシンノザ
(庚申の座) |
〔信〕庚申講(神下下葛川・神山・玉置川・)。 |
コウジンボウキ
(荒神箒) |
〔住・信〕竃専用の箒(小山手・小坪瀬・谷瀬・上野地・五百瀬・山天・内野・上葛川・旭)。「サルノ コウジンボウキ ミタイニ」という言葉があったが、意味は不明(山天)。 |
コウゾ
(楮) |
〔植・製〕楮。コウゾー、カミソともいう。谷垣内では、野性のヤマソに対して、特に栽培する楮を指す。 |
コウゾー |
〔植・製〕楮。 |
コウゾクソ
(楮糞) |
〔製〕カミソ(楮)をサクル時に向こうへこぼれたカス。これで自家用のコウゾクソガミを漉く(谷垣内・猿飼・小原・武蔵)。 |
コウゾクソガミ
(楮糞紙) |
〔製〕コウゾクソで漉いた紙。コウゾクソガミでシミだらけの紙であるが、極めて丈夫。これで自家用のフスマ(紙衾)、ヒチョウ(蚊帳)、タテ(紙袋)を作った(谷垣内・猿飼・小原・武蔵・旭)。滝川などではコウクソガミという。 |
ゴウタク |
〔人〕つまらぬことを言って人を困らす人。またはこと。 |
コウタケ |
〔植・食〕食用茸の一つ。 |
ゴウタレ |
〔人〕強情な人。腹立ち。 |
コウノキ |
〔植〕木の名(松柱)。 |
コウノハナ
(香の花) |
〔植〕シキビ(櫁)。玉置川ではマッコノキとも。 |
コウベ |
〔体〕頭。頭蓋骨。 |
コウマイリ
(講参り) |
〔信〕伊勢講などの代参に行くこと。戻れば、サカムカエに行く。 |
コウメ
(小梅) |
〔植・食〕エスラウメ(那知合)。 |
コウモリ
(蝙蝠) |
〔動〕 |
コウヤ |
①〔職〕紺屋。 ②〔食〕高野豆腐。 ③〔住〕厠。 |
コウヤカイドウ
(高野街道) |
〔交〕小辺路街道とも、本宮~果無山脈~柳本~矢倉~三浦峠~杉清~伯母子峠~大股~水ヶ峯~高野山 |
ゴウラ |
〔怪〕河童(今西・小坪瀬・玉垣内・谷垣内・那知合)。 |
ゴウラゴ |
〔怪〕河童(今西・平谷・高瀧・武蔵)。 |
ゴウラボ |
〔怪〕河童(田戸)。 |
ゴウラボウシ |
〔怪〕河童(小坪瀬・今西・西中)。 |
ゴウラボシ |
〔怪〕河童(今西・西中)。 |
ゴウヨリ
(郷寄り) |
〔村〕昔、あったという郷の寄り合い(猿飼高森)。 |
コウリ |
①(垢離[こり])〔信〕コリともいう。コウリカク=水垢離[みずごり]。コウリトリとも。 ②(行李)〔食〕弁当行李。山行きの弁当を入れた。しかし、余り使わなかった。「コウリメシはうまい」。 |
コウリメシ
(行李飯) |
〔食〕コウリ(弁当の行李)に詰めた飯。うまい。 |
コエタゴ |
〔農〕ダル(下肥)を運ぶ担い桶。 |
コエツボ
(肥壺) |
〔農〕家から遠い畑の傍に設けて、シモゴエを溜めておいた(旭)。 |
コエナヤ
(肥納屋) |
〔農・住〕①厩[うまや]で牛に踏ましたシキワラ(敷藁)を掻き出して入れておく小屋(出谷)。 ②クチアケで苅ってスシ(→スス)ておいたススコエボシ(→カリオキ)のクサを1月まで、そのまま置いておき、雪の散らつく頃に家へモチ(運ぶ)帰って、コエナヤまたはナヤに詰める(竹筒)。 |
コエボシ |
〔農〕カリバのクサ(シバ)をコエボシグイを中心にスシた堆。梯子を掛けて3mくらいの高さまで積み上げて、その上に防水のためのカヤ(茅)を葺き、クイに穂先を括りつける(竹筒)。 →スシコエボシ。 |
コエボシグイ |
〔農〕コエボシの芯に立てる杭(竹筒)。 |
コエマツ
(肥松) |
〔住〕トウダイや松明に使ったマツノジン(脂松)。略して、マツともいう。コエマツアカシ=(トウダイなどで)コエマツを点けて照明とした。「コエマツアカシてヨナベした。」 |
コエムシ |
〔動〕ジムシ。 |
コエモチ |
〔農〕畑へコエ(主に人糞=肥)を運ぶ作業。 |
コエン
(小縁) |
〔住〕①踏み込みの土間のエンノ(縁)側についた小縁(那知合)。 ②一間巾のエンの前面に付設した1尺5寸くらいの濡縁(旭栂之本)。同じく他の迫では、ウチエンという。 |
ゴエンショウタキ
(御煙硝炊き) |
〔職〕昔は、ゴエンショウタキと呼ばれて、特権を持った職人がおり、どこの家へでも踏み込んで、床下の土を持って行った。 |
ゴエンタロウ |
〔芸〕盆踊りの一つ(出谷)。 |
コオカ
(小岡) |
〔地〕那知合では、サネ①にあたる丸っこいオカをこうとも呼んでいる。 |
コオドリ
(小踊り) |
〔芸〕盆踊りの一つ。コオドリ、ゴゼンオドリ、シナガワオドリ、イリハなど(小山手)。 |
コオリモチ
(氷餅) |
〔食〕搗き立ての餅を水につけて吊るして夜間に凍らせ、そのあと乾かした餅。野迫川村弓手原などでは、今も作っている。 |
コガ
(小鋸) |
〔林〕腰につけて持ち歩く小さな鋸。丸太切り用。コシノコ(田戸)。 |
コガシキ
(小炊き) |
〔林・筏〕バラガリ(カリカワ)など、沢山のヒヨウ(人夫)を使って仕事をする場合、カシキの使い走りをする役(平谷・猿飼)。 |
コカス |
〔他〕ころがす。倒す。コケルの他動詞。 |
ゴガツゼック
(五月節句) |
〔年〕 |
ゴガツノセック
(五月の節句) |
〔年〕端午の節句。「五月五日の粽の餅でセンヨ(千重)巻かれておとされた」(上葛川)。 |
ゴガツミズ
(五月水) |
〔天〕新暦の6、7月頃にオキル大水で、これがあればカワサクも押し流されて筏ができなくなるので、これを機に筏組は1年の勘定をし、うち連れて立里の荒神さんへ参った。竹の子がオヤ(親竹)と背比べするとゴガツミズがオキル(永井)。 |
コガノキ |
〔植〕喬木[きょうぼく]の名。コガノキまたはタブノキ(宇宮原)。和名タブノキ。 |
コガヒキ
(小鋸挽き) |
〔林〕木挽(神下下葛川) →コビキ |
コガヤリ
(子返り) |
〔産〕昔は、胎児は生まれる直前にに頭を下に、サカサになると思っていた。シキリ(陣痛)が来て、分娩間近になれば、どうしても腹の子がカタツラ(一方)へ寄ってしまうことがあり、その時コガヤリするのだと言った(谷垣内)。 |
コカル |
〔自〕ころぶ。ころがる。倒れる(竹筒・武蔵)。一般にコケル。 |
コガワ
(小川) |
〔地〕オオカワ(本流)に対して、主な支流をいう。 →オオカワ |
ゴキ
(御器) |
①〔食〕本来は蓋付きの椀。食器。 ②〔名〕犬、猫の椀(猿飼)。猿飼では、牛馬の食器はウシダライという。 ③〔農〕牛の秣[まぐさ]桶。槽[おけ](田戸・小原・武蔵)。小原辺ではウシダライともいう。 |
コキバシ
(扱き箸) |
〔農〕70年以上前には、まだこれを使って麦を1本ずつ桶の中へ、コキオトシているのを見た(紀州請川)。 |
コキビ
(小黍) |
〔農・植〕イナキビともいう(五百瀬・小原・武蔵)。トウキビ→イナキビ。旭ではマキビという。 |
コギル
(小切る) |
〔他〕長い木材などを短く切る。コギリニスルともいう。 |
ゴク
(御供) |
〔信〕ゴクウともいう。神に供える餅。団子などの供物。祭りのあとにこれを撒くのがゴクマキである。 |
コクイン
(刻印) |
〔林・社〕木材の木印として墨壺につけてカーンと打ち込む。木印をつけるのに、他にキリハンがあった。 |
ゴクウ
(御供) |
〔信〕ゴクに同じ。 →ゴク |
ゴクウデン
(御供田) |
〔信〕神饌[しんせん]田(小坪瀬・高瀧・上葛川)。ゴクデン、トウダともいう。 →トウダ |
コグチ |
〔林〕材木の切り口。 |
ゴクマキ
(御供撒き) |
〔信〕トウヤで作ったゴク餅を神前に供えたあと、お参りの人々に向かって投げること。奥吉野では、氏神、山の神など、あらゆる祭りにゴクマキがつきものである。 |
ゴクモノ |
〔食〕雑穀類の総称。ゴクモノでも毎日食える家は余程いい家だったという。 |
コケノマル
(苔の丸) |
〔林〕セギダシの折、セギ(テッポウセギ)の漏水[ろうすい]を防ぐため丸太の隙間に苔をつめた。この苔は、村の女たちが集めて、5尺のカズラにからめて径1尺ぐらいの玉にし、1タマ幾らで売った。これをコケノマルという。(なお、セギの下からの水漏れを防ぐにはシダを敷いて、その上に土を被せたが、このシダも1〆幾らで売った)(田戸)。 |
コケル |
〔自〕ころぶ。倒れる。コカルとも。他動詞はコカス。 |
ココノツチガイハクロウスル
(九つ違いは苦労する) |
〔婚〕結婚のとき、9歳違いは苦労が多い。「九つ」と「ク(九)ロウ」をかけたいいか(西川)。 |
コゴオリ |
〔食〕煮こごり。 |
コゴナル |
〔自〕こごむ。かがむ。腰が曲がる。「年取りゃー腰コゴナル」。 →コゴル |
コゴメ |
〔食〕屑米(玉置川)。 |
コゴル |
〔自〕→コゴナル |
ココロワルイ
(心悪い) |
〔形〕気持ち、気分が悪い。 |
コザ |
〔信〕コザイに同じ(出谷)。 |
コザイ |
〔信〕「小細」と記す。幣串の一種。クシの一端を割って白紙を挾んだもの(上湯川の小字寺垣内、大井谷)。出谷ではコザ、小坪瀬ではコザグシ。 |
コザイバシ |
〔信〕→コザイ |
コサエル |
〔他〕こしらえる。 |
コザカ |
〔産〕子供がみな丈夫に育つ家をコザカノイエという。 |
コサグ |
〔他〕こすり剥ぐ。 |
コザグシ |
〔信〕コザイに同じ(小坪瀬)。 →コザイ |
コザシキ
(小座敷) |
〔住〕四間取りの場合、キシ側の2室をこう呼び、奥側の室にトコ、ブツダンがある(五百瀬)。 |
コサブ |
〔動〕老人は、コサブロウという(串崎・平谷・込之上・那知合)。 |
コサブロウ |
〔動〕夜行性の青みがかった小型の虻(那知合・申崎・平谷・込之上・上葛川・玉置川)。野迫川村弓手原では、ソーギまたはショーギという。 〔注〕-コサブロウが最も活動するのは、8月に入ってからの早朝、日暮れ方で、群れをなして襲って来ることがある。吸血力も強くて患部が腫れ、痛みと痒みに悩まされる。日陰を好むため、日中でも襲われることがある。 |
コサメ |
〔動〕3寸くらいまでのアメノウオの幼魚(西川筋・田戸・旭)。迫西川に「コサメ小次郎」の伝説がある。 |
コザル
(小猿) |
〔住〕ジザー(自在鈎)を上げ下げする調節具(出谷・谷垣内)。 |
ゴザレル |
〔他〕懲らしめる(五百瀬)。 |
ゴザングシ |
〔信〕コザイに同じ(小山手)。 →コザイ |
コジ |
〔農・食〕子芋(字宮原・五百瀬)。高瀧ではコジイモとも。 |
……ゴシ |
〔助〕……ごと。……も一緒に。「エダゴシユガク」(枝付きのまま茹でる)(大豆など)。 |
コシアテ
(腰当) |
①〔衣〕山仕事の折の尻当て。ニク(羚羊)の皮などが良い。 →シリアテ。 ②〔交〕サンダワラともいうが、米俵のそれは弱いから、別にしっかりしたのを作り、重い荷を直に負う時、紐を付けて腰に括[くく]り付ける。セナカアテともいう。 |
コジイモ |
〔農・食〕子芋(五百瀬・山天)。コジともいう。 |
コシキ
(甑) |
①〔食〕こしき。セイロウとも。 ②〔製〕紙漉き用には径2尺に束ねたカミソ(楮)が、ごっそり入る大きな桶状のもの。金が掛かるので3軒くらいナカマで作って用いた(谷垣内)。 |
ゴシキ
(五色) |
〔葬〕葬列に加わる五色の幟。ハタともいう。色は、黒、赤、白、青、黄。 |
コシヅケ
(腰付け) |
〔農〕桧製の小篭。腰に付けて草引きなどに使う(小原・武蔵)。 →コシツケカゴ |
コシヅケ
(腰付け) |
〔住〕上下が鉄で伸縮自在の細長い携帯用提灯(上葛川)。天川村塩野では、ン(ウ)マノマラという。 |
コシツケカゴ
(腰付け篭) |
〔農〕径6、7寸、深さ1尺くらいの、目の詰んだカゴ。畑の草引き、米麦の種播きなどに用いる(内原)。→コシヅケ、ツケカンゴ |
コシット(ー) |
〔族〕子供。「いかに悪いコシットらじゃ。せちごうたれ」。コシトともいう。 |
コシト |
〔族〕子供。コシットとも。 |
コシナタ
(腰鉈) |
〔林〕腰に提げる小型の鉈。箱鞘に入れるのでハコナタとも言う(田戸)。 |
コシノコ
(腰鋸) |
〔林〕腰に付ける丸太切り用の小さい鋸。コガ。 |
コシマキ
(腰巻き) |
〔衣〕ハナソメとか更紗[さらさ]の柔らかいもので、仕事をするときは、上にフンドシをしめた(上葛川)。 |
コジメル |
〔他〕片付ける。整理する。 |
コジュウト |
〔族〕夫の兄弟。コジュウトメに対していう。 |
コジュウトメ |
〔族〕小姑(松柱)。夫の姉妹。 |
ゴジュウニチサイ
(五十日祭) |
〔葬〕死後50日目の祭、仏教の四十九日にあたる。死者の霊は、50日間家の棟を離れず、また50日祭が済むまでは、先祖とは別に位牌をまつる(上葛川)。 |
ゴジョウオウライ
(五條往来) |
〔交〕 |
コショウガツ
(小正月) |
〔年〕正月15日。 |
ゴジョウノハラ
(五條野原) |
〔芸〕 |
コジョウヤ
(小庄屋) |
〔林〕ヒヨウジョウヤ、クミジョウヤを補佐する経理、会計役。 |
コジリヒラウ |
〔他〕一寸したことに咎めだてをする。一々言葉尻をとる。 |
コジル |
〔他〕意地悪をする。 |
コジンヤマ
(個人山) |
〔村〕個人の私有林。カブヤマに対して言う(玉垣内)。 |
ゴス |
〔他〕懲らしめる。また、そのために制裁を加える。いじめる。「あのホウシ、ゴシたろうらい」=あいつを苛[いじ]めてやろうじゃないか。ゴラスとも。 |
コスル |
〔自〕皮肉を言う。 |
コセキ |
〔林〕輪状剥皮によって立木を立枯れさせること(下葛川)。他動詞ではコセルという。 |
コセック |
〔自〕あくせく振る舞う。 |
コセヤマ |
〔林・地〕発育の悪い山林。 |
コセル |
〔他・林〕木を立枯らしさせる(三浦・葛川筋)。輪状剥皮して立枯れを待つことをコセトクという。輪状剥皮はコセキ。 |
コゼル |
〔他〕挺子でこじる。「少しコゼルとすぐ取れる」。コジルともいう。 |
ゴゼンオドリ |
〔芸〕コオドリの一つ(小山手)。 |
コソギブキ
(小枌葺き) |
〔住〕細かいソギで葺いた屋根(上湯川)。 |
ゴソク
(五足) |
〔狩〕シシの大きさの単位。普通これが最高で13貫くらい。 →ケンカゴソク |
コソット |
〔副〕すっかり。「コソット捕られたわよ」。 |
コソバイ |
〔形〕くすぐったい(長殿・猿飼)。 |
コソバイイ |
〔形〕くすぐったい(谷瀬・三浦・山手)。 |
コソバカス |
〔他〕くすぐる。 |
ゴソバラ |
〔地〕叢[くさむら]。 |
ゴタ |
〔住〕塵芥[じんかい](内原・申崎・那知合)。ゴッタともいう。ゴタカキ=ちりとり。ゴッタフテ(ゴタフテ)=塵捨場。 |
ゴダイ |
〔林〕キンマの積材の一番下の土台にする材(田戸)。 |
ゴタイテン
(御大典) |
〔動〕育と赤の混じった川魚で、大正時代に平坦部から移入された(宇宮原)。オイカワのこと。 〔注〕-オイカワの雄の婚姻色を指して要るものと思う。大正天皇の御大典(即位式)を記念して移入されたというが、定かではない。 |
コタエル |
〔自〕困る。閉口する。 |
コダカ |
〔漁〕特に鮎用の網の一種。絹糸の2重網。 |
ゴタカキ |
〔住〕ちりとり。チリカキとも。 |
コタグ |
①〔他〕探す →コタゲル ②〔自・卑〕歩く(谷垣内)。 |
コタゲル |
〔他〕①混ぜかえす。 ②探す。コタグともいう。 |
コダシ
(小出し) |
〔出〕材を一本一本運び出すこと。 |
ゴタフテ |
〔住〕塵捨場(串崎・那知合) →ゴッタフテ |
コチ |
〔天〕東からの雲、風。コチカゼともいう。 →ドヨウコチ。コチが南に廻れば大雨。夏のコチは涼しい(出谷)。秋のコチはシケが多い(旭)。 |
コチカゼ |
〔天〕コチに同じ(那知合・上葛川)。秋のコチカゼは一番強く、台風は大抵この風である。 →コチ |
コツ |
①〔名〕こつ。呼吸。要領。 ②〔他〕投げる。「石コッたら人に当たるぞ」ヒライコツ。 →コツケル |
コヅカ
(小柄) |
〔林〕筏竿のアマハダを綺麗に削り取るのに使った小さなナイフで、別打ちにした(込之上)。 |
コヅカイ
(小使) |
〔村〕ソウダイの走り使い役。各バンに一人ずつ、任期1年。バンガシラはいない(上葛川)。 |
コヅキ |
〔食〕香煎[こうせん]。いわゆるハッタイ粉のこと。ハダカムギを煎ってヒキウスで粉に碾[ひ]いたもの。そのまま何かのハネ(葉)ですくって食べ、チャガイ(茶粥)に混ぜ、また練っても食べる(谷垣内・五百瀬・那知合・旭)。粉のまま、木の葉で食べるのをハネルという(旭)。 |
コヅキショウガツ |
〔年〕正月20日。神さんにコヅキを供えた。この日をカミノトシコシともいう(谷垣内)。 |
コッキリ |
〔副〕すべて。すっかり。 |
コヅク |
〔他〕どやす。こづきまわす。 |
コツケ
(小付け) |
〔運〕負荷の上にちょっとした物をつけ添えること(内原・旭)。 →ツケ。 |
コツケル |
〔他〕投げつける。 コツ=投げる。 |
コツゴモリ
(小晦) |
〔年〕12月30日(今西・平谷)。コツモゴリ、コツモゴとも言う。 |
ゴッシャリマセ |
〔言〕御免ください。いらっしゃいませ。 |
ゴッタ |
〔信〕塵芥[じんかい](今西)。 塵芥場はゴッタフテ。 |
ゴッタフテ |
〔住〕塵捨場(今西・上葛川)。 →ゴタフテ |
コッテ |
〔農〕①牡牛(田戸・玉置川)。コッテウシともいう。牝はオナメウシという。 ②牡の仔牛(宇宮原)。 |
コットイ |
①〔農〕牡牛。ウナメに対していう(西川)。 ②〔形〕邪険な。 |
コッパ |
①〔林〕材木をハツッた屑。コッパタともいう(田戸)。 ②〔人〕身分の低い人。 |
コッパタ |
〔林〕コッパに同じ(田戸)。 →コッパ |
コッポネ |
〔人〕物事に凝り固まった人。 |
コツモゴ
(小晦) |
〔年〕12月30日(田戸)。 |
コツモゴリ
(小晦) |
〔年〕12月30日(上湯川・小山手・谷垣内)。 |
コツレ
(仔連れ) |
〔狩〕仔を連れたシシ(上湯川・上葛川)。 |
ゴト |
〔地〕本流から分かれている細い支流。ドーともいう。 |
ゴトーヒキ |
〔動〕大蟇(松柱・小山手)。松柱では、トチワラともいう。 |
ゴトービキ |
〔動〕大蟇(上湯川)。 |
コトウジ |
〔住・武〕槍と似て先が叉をはったようになって、多数の突起のついた袖搦[から]み用の武具。エンの奥寄りの長押の上に掛けておいた(旭)。 |
コトコトネズミ |
〔動・兆〕鼡がヒネて来ると、コトコト壁を叩く。こんな音がすればその家に死人が出るという(小坪瀬)。 |
コトハジメ
(事始め) |
〔年〕正月2日に山へ行って1、2本タキモノでも伐って来たり、畑を一寸打ってみたりする(旭栂之本)。 |
ゴトヒキ |
〔動〕蟇(宇宮原・田戸・上葛川)。こぶこぶがあって、汁がつけば病む。味はおいしい(上葛川)。宇宮原ではドッチャマという。 |
ゴトビキ |
〔動〕蟇(今西・玉置川)。村内他所ではトチワラ、トチワラビキとも。 |
コトボシ |
〔住〕手燭[しゅしょく]。かんてら。ブリキ製の小さな、ホヤのない、細い芯だけのランプ。 |
コナ |
〔農・食〕かつての重要な野菜。白菜の類で小さい。漬菜によくした(コナヅケ)。シャクシナともいう。 |
コナイダ |
〔時〕この間。先日。 |
コナオシ
(小直し) |
〔名〕ちょっと直す。手をいれること。 |
コナカラ
(小半) |
〔名〕ナカラ(半)の半分。つまり4分の1。 |
コナカラオタン |
〔婚〕(大字内原)。 |
コナゲル |
〔他〕薪など小さく切る。 |
コナシゴヤ |
〔農・住〕屋敷内の脱穀調製小屋(宇宮原)。 →コナス |
コナシバ |
〔農・住〕コナシベヤに同じ。別棟になっていた(旭栂之本)。 |
コナシベヤ |
〔農・住〕コナシゴヤに同じ。 |
コナシマタ |
〔農・製〕ダツ(炭俵)を編む台。ツチノコをあっちへやり、こっちへやりして編む(田戸)。 |
コナス |
①〔他〕細かく割る。砕く。コナゲル。 ②〔農〕米・麦・豆など脱穀する。 ③貶[けな]す。悪口をいう。 |
コヌカ |
①〔食・住〕米糠[こめぬか]。カクスベ(蚊遣り)に焚いた(谷垣内)。 ②(米糠)〔族〕婿養子。「コヌカ1合あれば、婿に行くな」。 |
コネバチ
(捏鉢) |
〔食〕粉をこねるための刳物の器。 |
コネル
(捏ねる) |
①〔他〕捏ねる。粉に水を加えて固くねる。 ②難題を持ち掛けて困らせる。理屈をこねる。ゴネルとも。 |
ゴネル |
〔自〕→コネル② |
コノシラ
(此の衆等) |
〔代〕友達で親しみ深い人たちに対する言葉。 |
コノヂュウ
(此の中) |
〔時〕この頃。この間。 |
コノハガエリ |
〔動〕百舌鳥。 |
コバ |
①〔地〕山中の僅かな平坦地。 ②〔林〕特に木挽の仕事場。また、その挽材装置(田戸)。この仕掛けを設営することをコバガケという(田戸)。 |
コバエ |
〔林〕10年生以下の若い植林(西中・竹筒)。コーキに対していう。 |
コバカケ |
〔林〕コバ②を設営すること。 →コバ |
コハゼ |
①〔衣〕足袋、脚絆のこはぜ。 ②〔狩〕クグツの部分品(松柱)。今西では、チコという。 |
コハタキ |
〔食〕粉に碾[ひ]くこと(谷瀬)。 →ハタク |
コハラ |
〔地〕川の中洲。 |
コビキ
(木挽) |
〔林〕木挽。江州木挽・伊勢木挽・高野木挽。殊にオオタ(新宮~田辺間)コビキが有名だった。下葛川では、コガヒキという。 |
ゴビキブシ
(木挽節) |
〔芸・林〕木挽が山で木を挽きながら歌う唄。「コビキさんなら、あさりをわけて、道を広めて通わんせ」「コビキさんたち、お国は何処よ、生まれは仙台出羽の国」など(上湯川)。コビトウタともいう(田戸)。 |
コブシ |
〔植〕辛夷[こぶし]。この葉に甘いのと苦いのと2種類あって、甘い方の嫩芽[どんが]を子供たちが食べた(松柱)。 |
コビッコ |
〔動〕コノハヅク。 |
コブッタ |
①〔狩〕シシの大きさ。ウリッコの上、3~4貫のもの。コブッタジシともいう(小坪瀬)。 ②〔林〕木のうちで、コブがあって割れぬもの。 |
コブッタジシ |
〔狩〕コブッタに同じ(小坪瀬)。 →コブッタ |
コブル |
〔他〕かぶりつく。かじる(谷瀬)。「嵐が戸をコブル」「子供が手をコブル」。 |
コボウ |
〔族〕小さい子供(小坪瀬)。 |
ゴボウキ
(小箒) |
〔住・食〕炒り鍋をかき回すのに使う小箒で、トウキビの殻でつくった(上葛川)。 |
コボク
(古木) |
〔林〕コボクスル(枯死する)(谷垣内)。 |
コマイ |
①〔住〕(木舞)屋根皮の上にうつ細材。下のはシタゴマイ(谷垣内)。 ②〔形〕小さい。 |
コマコイ |
〔形〕①小さい。「えらいコマコーに切ったのォー」 ②倹約。「マチへ行ったらコマコーせえなー、食うていけんぞ」 ③吝。「テキは、金にコマコイよって、付き合いにくい」。 |
ゴマゴマ |
〔動〕アリジゴク。「ゴマゴマ出て来い」といって遊んだ(上葛川)。 |
コマシダ |
〔植〕葉柄の長いシダの一種。和名コシダ。この葉柄で作った篭をシダカゴという(田戸)。上葛川では、クジャクシダという。 →シダカゴ |
コマヅケル |
〔他〕手なづける。なつくようにする。 |
コマドリ
(駒鳥) |
〔動〕コマドリ。 |
コマモノウリ
(小間物売り) |
〔交〕 |
コマル |
①(小丸)〔林・炭〕大きさによる木炭の分け方の一つ。大丸、中丸、小丸、ワリの順(小山手)。 ②〔自〕隙間にものがはさまる。「歯に魚の骨がコマッた」。 |
コミヤサン
(小宮様) |
〔信〕氏神境内の小祠[しょうし]。本社はオオミヤサン(大宮様)。 |
コムギダンゴ
(小麦団子) |
〔農〕ウシヤスミ(丑休み)の田畑の供物(西中・谷垣内・重里)。重里では、半夏生[はんげしょう]に供える。 →コムギモチ、ムシマツリ。 |
コムギモチ
(小麦餅) |
〔農〕土用丑(ウシヤスミ)に作って田畑に供える。小麦を碾臼で挽いて水でねっただけの生の餅(団子)を栗の枝の間に入れて、枝葉ごとカヤ(茅)の葉でくるみこんで畑に立てた(上湯川・出谷・松柱)。この頃は、立てずに、蒸してキナコを付けて食べる。 →ムシツギ |
コムラ |
〔体〕こぶら。 |
コメカリガマ
(米苅鎌) |
〔農〕稲苅鎌(五百瀬)。稲苅はコメカリ。 |
コメツキウタ
(米搗唄) |
〔農・芸〕竹筒の場合、テマで9人ほどで歌に合わせて、タテウスで搗いた。沢山の歌があった。 |
コメフミ
(米踏み) |
〔農〕カラウス(カラス)で米を搗くこと。一晩に三クボ(1斗2升)搗いて一人前だった。 |
コメビツ
(米櫃) |
〔食〕飯櫃。オヒツともいう(串崎)。米は、極めて貴重なものだったので、桶などに蓄え、いわゆる米櫃にとりわけておく風はなかった。 |
コメユリ |
〔植〕オニユリより一寸小さく毛のない百合。 |
コモ
(菰) |
①〔農〕粗く織った菰。 ②〔林・製〕炭俵、スミゴモ。 |
ゴモク |
〔住・名〕塵[ごみ]。ゴタ。ゴッタ。 |
ゴモクユ |
〔体〕ショウブを主にして、オオハギの葉、ニンドウカズラとヨモギの根、及びイヌコンコ(猫柳)の皮をハガマ(釜)で煮て風呂に入れたもの。デキモン(出来物)に良い(谷垣内)。 |
コモノ
(小物) |
〔狩〕猟の場合のタヌキ、イタチ、テンなどの小猟獣。 |
コモリ
(篭もり) |
〔蚕〕蛹[さなぎ]が死んで蚕が出ない繭。またそのこと。 |
コモリ
(子守) |
〔産〕子守。 |
コモリウタ
(子守唄) |
〔産〕 |
コモル |
〔自〕①子守をする(竹筒)。 ②繁茂する。 |
コヤシナイ
(子養い) |
〔産〕育児。「コヤシナイノサカリニャ、=沢山の子を育てるのに忙しかった時分には」とか「毎夜、ヨナベしてコヤシナイした」などと用いる。 |
ゴヤサッテ |
〔時〕五日日の目。 |
コヤス |
〔他〕マツをコヤス=松脂を吹き出さす。コエマツのコエに同じ。 →ハラマツ |
コヤッテ |
〔言〕越えて(竹筒)。 |
コラエジョウ
(耐え性) |
〔名〕忍耐心。「コラエジョウのない人」。 |
コラエル |
〔他〕許す。「どうか、コラエてくだされ」。我慢する。 |
ゴラゴ |
〔怪〕河童(小原・田戸・上葛川)。 |
ゴラス |
〔他〕懲らしめる。いじめる(那知合)。ゴスとも。 |
ゴラボ |
〔怪〕河童(田戸)。ゴラボシ、ゴラゴとも。 |
ゴラボシ |
〔怪〕河童(田戸)。 |
ゴランゴ |
〔怪〕河童(上葛川)。 |
ゴランボ |
〔怪〕河童(七色)。 |
コリ
(垢離) |
〔信〕コリカク。水垢離[みずごり]を取る。コウリ。 |
コリキ
(樵り木) |
〔林〕薪をコル(樵る)こと。 |
ゴリキ |
〔動〕川底に棲み、腹に吸盤がある(字宮原)。西中でイワスイカブ、玉置口では、ナメラボウズという。 |
ゴリル |
〔自〕懲りる。ゴレルとも。 |
コル
(樵る) |
〔林〕薪などを採る。薪コリ。キコリ(薪とり)。 |
ゴレル |
〔自〕→ゴリル |
コレガァナ |
〔連体形〕こんな。 |
コロ |
①〔林〕→カルコ ②〔狩〕幼獣。シシのコロ。シカのコロ。イヌのコロ |
コロイデ |
〔農〕水田にヒヤミズ(冷水)が直に入るのを避けるため、田の土を盛って作った∧状の小畦。こうして水を廻してヌクメル。山天など、大抵の田にこれがある。 |
ゴロゴロ |
〔形〕空腹状態。「もう、ゴロゴロじゃ」。 |
ゴロタ |
①〔名〕嘘(嘘言)。 ②〔地〕川中の転石、丸石。 |
ゴロツク |
〔自〕仕事もせずにぶらぶらしている。 |
コワ |
〔林〕杉桧材の外廻りの白みの部分。シラタともいう。しんはミ。 |
コワァ
(コワイ) |
〔形〕くたびれた。疲れた。しんどい。だるい(平谷)。 |
コワシ |
〔食〕正月に供える(上湯川)。 |
コンキュウ
(困窮) |
〔林・食〕飢饉。ガシンともいう。 |
コンコ |
〔食〕沢庵漬。漬菜とともにオクモ、クモジという(上葛川・小原・那知合・武蔵)。コンコヅケともいう。 |
ゴンゴ |
〔名〕竹筒(たけづつ)。タケノゴンゴ(旭)。ゴーとも(大字竹筒)。 |
ゴンゴラアナ |
〔地〕洞穴 |
コンズ |
〔製〕漆の液汁。またそれを入れる竹筒(たけづつ) |
ゴンズ |
〔交〕二つヂチのわらじ(谷垣内) →ゴンゾワラジ。 |
ゴンゾワラジ |
〔交〕二つ乳のわらじ。船頭、筏師が穿[は]いた(田戸)。 |
ゴンタ |
〔人〕暴れん坊。 |
ゴンニヤク |
〔食〕こんにゃく(西川)。 |
コンニャク |
〔食・農〕大晦日の夜に食べる。 |
ゴンノカミ
(権守) |
〔伝〕神納川上流などの落武者伝説にこの称号が多い。 |
ゴンパチ |
〔植〕虎杖[いたどり]。生食、保存食として重要。西川筋ではイタズル、イタドリ、ともいう。旭では、イタンドリという。 |
ゴンパチムシ |
〔動〕黄金虫(西川)。 |
コンピラサンノアゲキ
(金毘羅さんの上げ木) |
〔信〕讃岐の金毘羅さんへの献木。昔願いごとのある人が、「奉納金毘羅大権現、昔年何才何某」と墨書した材木を流した(田戸)。 |
ゴンボ |
〔農・植〕牛蒡[ごぼう]。 |
コンミジン |
〔形〕粉微塵[こなみじん]。「折角の玩具もコンミジンになった」 |
コンツボ
(紺壺) |
〔製〕紺屋[こうや]の藍甕。 |
ゴンボー |
〔農・植〕ゴボウ。 |
コンヤ
(紺屋) |
〔交・製〕染物屋。コンツボがあった。 |