ヤ(ー) |
①〔林・筏〕セギ、スラの部材。スラの場合、サオの両端近くに交叉[こうさ]して斜めに立てる丸太。ヤダイにもたせて、これに沿うてウチギを並べる(田戸)。共にヤゾウともいう(小山手・田戸)。 ②〔林〕伐木の際、ウケ(倒す側の切り口)の反対側から斧(または鋸)を入れて打ち込む樫材の楔[くさび]。硬い木や岩を割るときに使う鉄の楔。 ③〔狩〕矢から転じて鉄砲玉。例えばハツヤ、トメヤ、ヤクライ、ヤオイジシ、ヤブラキなど。 |
ヤーガテ |
〔副〕やがて。 |
ヤート |
〔副〕沢山に。 |
ヤイトバナ |
〔植〕ヘクソカズラ。 |
ヤウチ |
〔族〕家族全部をいう。 |
ヤウツリ
(屋移り) |
〔住〕新築への引っ越し(小坪瀬・小原)。ホトケサマ(位牌)を真先に持ち込む(小坪瀬)。イワタリ、エワタリともいう。 |
ヤエザカキ |
〔葬〕 |
ヤエン
(野猿) |
〔運〕①本来は薪や材木を出すための架線全般についていう。 ②架橋(釣橋)以前に各所に見られた人間用の架橋渡し。モッコヤエンとハコヤエン(ハコワタシ)の2種があった。昭和48年現在、下湯の上湯川と川津の大黒(オオグロ)谷の2箇所にハコヤエンがある。 |
ヤエンボウシ
(野猿法師) |
〔動・忌〕猿の忌詞[いみことば]。ヤマノワカイシ、エンコ・エテコともいう(田戸)。 |
ヤオイジシ
(矢負い猪) |
〔狩〕手負い猪。ヤクライ(矢喰らい)ともいう(杉清)。 |
ヤオサエ
(屋抑え) |
〔住〕板茸屋根の抑えとして4~6尺置きに載せる径5寸くらいの材。その間に細かくヤザオを載せ、石を置く(宇宮原)。 |
ヤキアミ
(焼網) |
〔漁〕火で魚を集めて網で捕る漁法。 |
ヤキイン
(焼印) |
〔住・林〕もっぱら山道具、農具、下駄など自家の什物[じゅうもつ]に捺[お]した。 〔注〕木材のキジルシとしては刻印または切判を用いる。 |
ヤキゴメ
(焼米) |
〔農〕苗代に種籾をおろす日に、ヤキナベで炒った籾種。これをカラウスで搗き、イタミ(板箕)でヒアッ(簸出して)て、神様やホトケサマ(お先祖様)に供える(上湯川)。旭では播残りの種籾の水をザルで切って、少しずつ炒って搗き、イタミでヒアリ、茶碗に入れて熱湯を注ぎ、塩を一寸入れて、しばらくおいて飲めば大変おいしいという。 |
ヤキサシ
(焼挿し) |
〔年〕節分に戸口に挿す柊と鰯の頭のセット(松柱・内原・谷垣内)。 |
ヤギシ |
〔住〕家のすぐ裏手。背戸(今西・五百瀬・内原・上葛川)。キシ(裏)の石垣をヤギシノイシガケという(今西)。 |
ヤキタオシ
(焼倒し) |
〔林〕樺(ケヤキ)を伐倒するとき、サントクギリのように根元の3方から穴を通し、出たコッパ(木屑)を根元に集めて火をつけ、何日も焼いて倒す(神下下葛川)。 |
ヤキナベ
(焼鍋) |
〔食〕煎り鍋(上湯川)。 |
ヤキハタ
(焼畑) |
〔農〕焼畑(松柱・旭)。旭地区ではキリハタともいう。ヤマハタ、ヤマバタともいう。 |
ヤキバチ |
〔農〕山を焼いて畑(焼畑)を造成する際に、その地の周囲に予め設ける防火線。ヒバチ、ヒクチともいう(小坪瀬)。 |
ヤキミソ
(焼き味噌) |
〔食〕山仕事のおり、焼いた石の上に味噌を載せて焼いたもの(旭)。 |
ヤキモチ
(焼餅) |
〔食〕カシコ(樫粉)をホウロク(焙烙)で焼いて餅に搗いたもの(小原)。 |
ヤクザ |
〔名〕①役にたたぬこと。 ②悪口をいうこと。「そんなヤクザなこと言うもんじゃない」。 ③やんちゃ。いたずら。「ヤクザすんなよ」(上葛川)。 |
ヤクザボシ |
〔名〕悪戯[いたずら]小僧(田戸)。 |
ヤクタイ |
〔形〕目茶苦茶。ヤクタイジャ。 |
ヤクバライ
(厄払い) |
〔年〕男子の25歳と42歳の厄年にはトシゴイ(節分)の日に玉置山に登って祈祷を受けるが、女の人でも33歳の時、玉置山に登って厄払いを受ける人もある。また4月3日の氏神祭の時に祈祷してもらう人もある(上葛川)。 |
ヤグラ |
〔動〕クマノヤグラ。熊が樹上に作る円座(田戸・上葛川)。宇宮原では、クマノタナという。 |
ヤクライ
(矢喰らい) |
〔狩〕手負いジシ。ヤオイジシともいう(杉清)。 |
ヤグラゴタツ
(櫓炬燵) |
〔住〕ホリゴタツ(三尺四方)の櫓[やぐら]。使い出したのは新しい。 〔付記〕櫓炬燵のことを働き者の老人たちは、なまくら炬燵と呼んでいた。 |
ヤケツリ |
〔体〕火傷のあとのひきつけ。 |
ヤサイ
(野菜) |
〔農・食〕 |
ヤザイ |
〔林〕スラのヤドの隣にかます材。セギの部品にもいう。田戸ではヤダイ、宇宮原ではヤマクラ。 |
ヤザオ |
〔住〕板茸屋根に2、3尺置きに並べた径3寸くらいの材。更に4、5尺置きに径5寸ばかりのヤオサエを載せ、重い石を沢山並べる(宇宮原)。 |
ヤシオ |
〔植〕ヤシャビシャク。 |
ヤシキニウエルキノキッキョウ
(屋敷に植える木の吉凶) |
〔住〕〔注〕シャクナゲ、シュウメイギクはハカバナ(墓花)といって忌む。またビワ(枇杷)も植えない。 |
ヤシキセンゾ
(屋敷先祖) |
〔信〕家の先祖ではなく、屋敷に初めて住んでいた人。大概[たいがい]、ミル人にミテもらって祀る。例は少ない(上着川)。 |
ヤシキブセ
(屋敷伏せ) |
〔住〕地鎮祭。 |
ヤシキマワリ
(屋敷廻り) |
〔動〕アオダイショウ(玉置川)。ネズミトリとも。 |
ヤシク |
〔食〕ヨナベのあとなどに食べる夜食(竹筒)。一般にはヤショクという。 |
ヤジト |
〔農・食〕西瓜[すいか]、茄子、胡瓜[きゅうり]、ホキビ(イナキビ)などを連作すること。(出谷)。 |
ヤシナイゴ |
〔族〕里子。 |
ヤシャラマゴ |
〔族〕やしゃご。玄孫[げんそん]。 |
ヤショク
(夜食) |
〔食〕夜食。ヨナベのあと、寝る前の軽い食事。竹筒ではヤシク。 |
ヤスイ
(易い) |
〔形〕たやすい。 |
ヤスバ |
〔運〕休場。峠、坂道の途中の休み場。 |
ヤスマスル
(休まする) |
〔他〕休ませる。正月14日、神様に供えたカザリ(七五三縄)を全部外して、一箇に束ねてエドコ(床の間)に置き、15日のカンオクリ(正月送り)には、お神酒[みき]や御飯を供えることにいう(小坪瀬)。 |
ヤスミビ
(休み日) |
〔村・労〕 |
ヤセク |
〔食〕夜食。ヨナベした時に食べた。夕飯の残りなど(旭)。 |
ヤゾウ |
〔林・筏〕スラ、セギの斜材(小山手)。ヤーともいう。 →ヤー① |
ヤダイ |
〔筏〕スラの部品(田戸)。 →ヤザイ |
ヤタケ
(矢竹) |
〔植〕スズコダケ(苦竹)のこと。矢に用いた。「一対の矢竹」(伝)を参照。 |
ヤタケタニ |
〔副〕やたらに。 |
ヤチワラ |
〔地〕沼沢等の湿地。ヤケンゴウラともいう。 |
ヤチンゴウラ |
〔地〕ヤチウラに同じ。 →ヤマラズ |
ヤツ
(八ツ) |
〔食〕ヒルメシとユウメシとの間のアサ(朝御飯)に似た軽い食事(出谷)。 →ヤツヂャ |
ヤツガシラ
(八つ頭) |
〔農・食〕里芋の一変種ながら、これだけでは別格である。 |
ヤッカン |
〔食〕ヤカン(薬鑵)。 |
ヤッコ
(奴) |
〔産〕男の児の、よちよち歩きの頃、耳の横に毛を伸ばした。これをヤッコといい、女児はケシにする。 |
ヤッコオドリ
(奴踊り) |
〔年・芸〕盆踊りの一つ(竹筒)。 |
ヤッシャラゴ |
〔族〕玄孫[げんそん](串崎・那知合)。 |
ヤッシャラマゴ |
〔族〕玄孫[げんそん]。 |
ヤツス |
〔自〕めかす。化粧する(那知合)。 |
ヤツヂャ
(八ツ茶) |
〔食〕ヤツ。午後3時頃の軽い食事(出谷・内原・上葛川)。上葛川ではケンズイと言う方が多い。 |
ヤッチャンコロリン |
〔言〕ヤツチャンコロリンユウテ(言って)。すったもんだして(今西)。 |
ヤッチョンオドリ |
〔芸〕盆踊りの一つ。 |
ヤド |
①〔林〕スラに用いる細い縦材。 ②〔葬〕埋葬のための墓穴。ヤドホリ。喪家[そうか]やそのミウチ以外の村人が掘る。その人足のこと。 |
ヤドウグ |
〔住〕家普請のための材木などをいう(永井)。 |
ヤドヤ
(宿屋) |
〔交〕 |
ヤナ |
〔漁〕魚簗。オチアイ(落鮎)を捕る仕掛け。スノコで受ける。 |
ヤナゴ |
〔食〕餅搗きの際のトリコ(松柱)。 |
ヤエコイ |
〔形〕弱い、貧弱な、意気地がない。 |
ヤニツキノミ
(松脂突き鑿) |
〔製〕昔、松脂[まつやに]を採って売った頃、松の皮を剥いで滲出[しんしゅつ]したヤニを採るのに使ったノミ(上湯川)。 |
ヤネ |
〔名〕(樹や煙草の)やに(内原)。 |
ヤネイシ
(屋根石) |
〔住〕扮(そぎ)、皮葺屋根の抑えに置く石。 →ヤオサエ、ヤザオ。 |
ヤネガエ
(屋根替え) |
〔住〕屋根の葺き替え(上葛川)。 |
ヤネヒキ |
〔動〕ナメクジか。 |
ヤネフキノサケ
(屋根葺きの酒) |
〔住〕屋根葺きの竣工祝い(田戸)。 →フキオロシ |
ヤネヤ
(屋根屋) |
〔職・住〕 |
ヤビラキ
(矢開き) |
〔年〕80年くらい前まで、正月20日にアキノカタ(明きの方)へ向けて鉄砲を射った。ユミハジメともいった(上湯川寺垣内)。 →ユミノマトイリ |
ヤブイリ
(薮入り) |
〔年〕正月20日。この日、家内で仕事始め(内原)。正月のヤブイリは15日まで、嫁の里へオカガミ一重ねを持参。米を添える人もある(上湯川)。 →ネントウ |
ヤブスズメ
(薮雀) |
〔動〕ホオジロ(頬白)くらいの小鳥で、嘴[くちばし]が太短く、青黒い毛並み。尾羽はホオジロより短い(田戸)。 |
ヤブヤキ
(薮焼き) |
〔農〕村中総出で一戸ごとのキリハタに火を入れて廻った。すべてテツダイアイだった(迫など)。 |
ヤブツ |
〔他〕破る。道場ヤブチ-=道場破り(内原字栗平)。 |
ヤマイガミ
(病神) |
〔俗〕疫病神。この神が入って来ないようにと、サカイバに注連縄[しめなわ]を張った(谷垣内)。 |
ヤマイシ
(山石) |
〔地〕川石に対して山にある自然石(上葛川)。 |
ヤマイリ
(山入り) |
〔林〕伐採、出材(ダシ)などの山仕事に新たに手をつけること。この折、ヤママツリをする。 |
ヤマウ
(病まう) |
〔自〕病む(上葛川)。 |
ヤマウオ
(山魚) |
〔動〕小形のサンショウウオ。焼いて醤油をつけて食べる。疳[かん]の薬になる(字宮原・神下下葛川)。 |
ヤマオトシ
(山落とし) |
〔林〕伐採した木材を山から辷り落とす作業。ダシ。 |
ヤマオリブシ
(山降り節) |
〔運・芸〕急坂を降りるとき、連れと歩調を合わすために歌った唄。クダリブシともいう(上湯川)。 →クダリブシ |
ヤマカリ
(山刈り) |
〔林〕下刈り(上葛川)。 |
ヤマカリガマ
(山刈り鎌) |
〔林〕下刈り用の鎌(田戸)。 →シタカリガマ、ヤマハライガマ |
ヤマキル |
〔農〕焼畑を拓く。ハタキルともいう(谷垣内)。 |
ヤマクラ
(矢枕) |
〔林〕スラのヤザイのこと(宇宮原)。 |
ヤマコウゾ
(山楮) |
〔製〕昔は畑に楮を作ったが、今は野生のものしかない。これがヤマコウゾである(猿飼)。 →ヤマソ |
ヤマコタギ |
〔人〕外でおとなしくて家でやかましくいう人。マヤコタギとも。 |
ヤマゴヤ
(山小屋) |
〔林〕イゴヤとも。 |
ヤマゴンニャク
(山蒟蒻) |
〔植〕天南星(テンナンショウ)(田戸)。 |
ヤマジョウロ
(山女郎) |
〔怪〕山上臈か。山姥。行仙嶽その他に出没した。これに遭えば死ぬ(重里)とか、遭ったことを人に語れば命がない(松柱)など、伝説が多い。ヤマジョロウとも。大蛇の化身ともいう(上湯川)。 →ヤマンバ |
ヤマソ |
〔製〕山に自生するカミソ(楮)。栽培されるコウゾに対していう(谷垣内)。 →ヤマコウゾ |
ヤマタロウ
(山太郎) |
〔動・忌〕狼の異称(上葛川)。 |
ヤマツクリ
(山造り) |
〔林〕主として造林の下刈り。 |
ヤマト
(大和) |
〔地・交〕十津川や北山の人々はクンナカ(国中)(奈良盆地)へ行くことを「ヤマトへイク」という。 |
ヤマドリ |
〔動〕山鳥。 |
ヤマニッケ
(山肉桂) |
〔植〕和名 ヤブニッケイ(田戸)。 |
ヤマネコ |
〔動〕山猫。昔、果無山中に住んでいたという。 |
ヤマネズミ
(山鼠) |
〔動〕ヤマネか?(上葛川)。 |
ヤマノカミ
(山の神) |
〔信〕①山の神の祭りの日(霜月7目と正月7日)のことにもいう(上湯川大桧噌)。 ②霜月7日と正月7日の山の神講(上葛川)。 |
ヤマノカミノキ
(山の神の木) |
①〔信〕山の神の憑代として伐ることを忌[い]む大木。 ②〔植・信〕サカキに似た常録樹。特に年数のたったものは、山の神さんが休まれるとて伐るのを忌む。アオギ、クロガネモチともいう(田戸)。 |
ヤマノカミノシャクシ
(山の神の杓子) |
①〔植・呪〕霊芝[れいし]。万年茸。マオドシ(魔除)のために大戸口に吊るす(松柱・玉置川)。 ②〔信〕杣小屋での共同生活に入ると、わざわざ杉や桧でシャクシ(餅杓子)を自分で削って、それで毎朝のオハツホをカシキが山の神さんに供える。このシャクシが山の神さんのソナエバナ(供え花)みたいなものでぁる。 |
ヤマノクチ
(山の口) |
〔農・村〕共有の刈り場(採草地)のクサ刈りの開始の日。惣代がヨリアイをして決めた(谷瀬・山天・旭)。 |
ヤマノクチアケ
(山の口明け) |
〔年〕正月2日の初山のこと(田戸)。 →ヤマハジメ 上葛川では5月31日にヤマノクチアケを触れて、その目は休み、翌6月1日には一斉にクサカリして各戸20貫ずつトウダに入れた。これがヤマノクチアケで、それまではワガ田のクサカリは出来なかった。 |
ヤマノワカイシ
(山の若い衆) |
〔動・忌〕猿の忌詞[いみことば](田戸)。ワカイシとも。 |
ヤマバカマ
(山袴) |
〔衣〕山行き用の長い股引。フンゴミ、ナガバッチともいう。特に鹿皮製のものをこう呼ぶこともある。皮製のものは、金のあるダンナシ(旦那衆)が誂[あつら]えて作らせ、雨のときなどに着用した。上にはカワバンチャを着た。 |
ヤマハジメ
(山初め) |
①〔年〕正月2日の初山(上湯川・重里・迫西川・旭字迫)。上湯川寺垣内の場合、暮れの餅抱きの折、山の神の分として径1寸くらいのゴクウ(餅)を2つとっておいて、正月2日の朝、これと蜜柑、柿を半紙に包み、オミキスズ(お神酒[みき]徳利)と一緒に携[たずさ]えて山へ行き、ナルイ(緩傾斜)所に半紙を敷いて供物を並べ、スズにサカキの小枝を挿して無事除厄を祈願。そのあと数本のシバを伐って帰り、清浄な所へ置いておき、ワサウエ(初田植)の昼食の用意にこれを焚く。迫では、正月15日のタキゾメに使う。田戸ではヤマノクチアケ(正月2日)、竹筒ではワカヤマフミ(正月4日)という。 ②〔林〕伐採に取り掛かる際、初めてナタやノコを入れること。 |
ヤマハタ
(山畑) |
〔農〕焼畑(宇宮原・神納川)。 |
ヤマバタ
(山畑) |
〔農〕焼畑(小坪瀬・小山手)。 |
ヤマハライ
(山拂い) |
〔林〕植林の下草刈り(シタガリ)(田戸・玉垣内・出谷・五百瀬・内原・東中)。 |
ヤマハライガマ
(山拂い鎌) |
〔林〕下苅鎌。シタカリガマともいう(五百瀬・東中)。田戸ではヤマカリガマ。 |
ヤマブシ |
①〔信〕山伏。ヤマシナとも(上湯川)。 ②〔植・兆〕山五倍子 山に自生するフシの木。またその虫贏の粉。コブ(瘤)(葉に出来る没食子蜂の虫贏)をとっておいて、染物やお歯異に使い、また売れば金になった。6月1日朝霧のかかった山にフシがよけいフク(内原)。フシが出来ることを「フシがフク」という。 |
ヤマブシン
(山普請) |
〔村〕大字共有林のシタギリ(下苅り)(谷瀬)。 |
ヤマブドウ |
〔食・植〕サト山には少ない。子供がたべた(田戸)。 |
ヤママツリ
(山祭り) |
〔林〕ヤマイリの際、酒を飲んで祝うこと(西中)。 |
ヤマメ |
〔族〕妻をなくした人。ヤモメとも。 |
ヤマメゴ |
〔族・婚〕私生児(上湯川)。 |
ヤマメメズ
(山蚯蚓) |
〔動・怪〕長さ七,八寸もある青光りするミミズ。カンテラムシともいう(田戸)。玉垣内・出谷・那知合ではカブラタという。 |
ヤマモモ
(山桃) |
〔植・食〕楊桃(ヤマモモ)。実を食べる。 |
ヤマヤキ
(山焼き) |
〔農〕昔は採草地に良いクサを生やすために焼いた。これをヤマヤキという(葛川筋)。西川方面ではノヤキ(野焼き)という。 |
ヤマラン
(山蘭) |
〔植〕シュンラン。ホケッチョともいう(旭)。 |
ヤマワケ
(山分け) |
〔林〕杣夫が伐採地区を前以て仲間で区切ること。そのあと、籤[くじ]でそれぞれの持ち場を決める(クジワケ)(宇宮原)。 |
ヤマンバ |
〔怪〕ヤマウバ(山姥)(玉垣内)。 →ヤマジョロウ、ヤマジョウロ |
ヤマンバノタスキ
(山姥の襷) |
〔植〕ヒカゲノカズラ(田戸)。オニカズラ(竹筒)。オニダスキ(谷垣内)。オニノタスキ(平谷)。 →オニダスキ |
ヤミョウ
(家名) |
〔村〕屋号。十津川郷とその周辺では、古い家(ホンコ)はすべてヤミョウを持っており、地名と家(屋)名の一致する家は古いとされている。 |
ヤライ |
①〔農〕畑作物の畝間[うねま]にカリオキをやること。平谷では、クサナヤに苅り込んでおいたシバ(クサ)を6月頃、畑に雑草が生えぬよう、また暑い陽ざしを遮[さえぎ]るために撒いてやる作業をいい、こうすることをナツモノという。竹筒ではナツヤライという。 →ナツモノ、ナツヤライ ②(矢来)〔狩〕クグツ(小物罠)を設ける際の柵。 |
ヤラウ |
〔他・農〕①ヤライ①の作業をする。 →ヤロウ(阿波美馬郡小屋平も)。 ②かばう(那知合)。 |
ヤラコイ |
〔形〕柔らかい(旭・玉置川)。 |
ヤラス |
〔他〕破る。ヤブラカス。 |
ヤリチガイ |
〔副〕ヤラチガイに=井桁に(積む)(上葛川)。 |
ヤレル |
〔自〕破れる。 |
ヤロウ |
①〔他・農〕雑草防除や日よけのために畑にカリオキをやる(ヤラウ)。 →ヤライ① ②〔食〕欅(ケヤキ)皮製の小判形の刻煙草入れ。武蔵の名産。谷瀬では、カッタリ、ヤロウッコという。谷垣内ではガッタリ。 |
ヤロウッコ |
〔食〕ヤロウのこと。カッタリともいう(谷瀬)。 →ヤロウ |
ヤンガシコク |
〔自〕腹立紛れに無理をいう(那知合)。 |