「ネ」
ネー | 〔族〕女の子(宇宮原)。娘の呼称。女中。女性一般の呼称。嫁にも使う。 |
ネガケル | 〔他〕「目掛ける」の訛り。狙い望む。目をつける。 |
ネキ | 〔住〕①直ぐそば。傍ら。「机のネキ」。 ②屋敷のウラ(表)を離れた所(谷瀬・内原・谷垣内)。 |
ネギ (葱) |
〔禁〕 |
ネキガート | 〔住・農〕家から直ぐ下の畑(出谷)。 |
ネキガイト | 〔住・農〕家から直ぐ下の畑。但し田はネキダなどという(小坪瀬・小原)。 |
ネギサゲスル | 〔児〕片足跳び(谷瀬)。 |
ネキダ | 〔農・住〕家の直ぐ下の田。畑の場合はネキガイト(小原)。 |
ネキバタケ | 〔農・住〕家のウラ(表)、即ち直ぐ下の畑(谷瀬・上葛川)。 |
ネキリムシ (根切虫) |
〔動〕ヨトウムシ。 |
ネキリヨキ (根切り斧) |
〔林〕伐採のとき、根もとを切るヨキ(斧)(田戸)。 |
ネグサル | 〔自〕熟睡する。寝過ごす。「いつまでネグサルンない」。 |
ネグスリ | 〔体〕子供が眠たくてむずかること。 |
ネグルイ | 〔体〕寝相の悪いひと。「ネグルイスル」=寝相が悪い。 |
ネコ | ①〔動〕猫。 ②〔林〕木材を綱で吊り落とす時に使う金具。 ③〔住〕湯たんぼ。 ④カキモチ用の細長いのし餅(風屋)。永井・那知合ではイッタチという。 |
ネコアシゼン (猫足膳) |
〔食〕猫の足のような四脚の膳で、慶事には朱塗り、凶事には黒塗り。大抵20人分位揃えていた。 |
ネコマタ (猫又) |
〔怪〕折立から葛川への途中の大谷にこの地名の瀧があり、昔は恐れられた。 |
ネコマリ | 〔体〕腫物のかたまり。 |
ネコラ (猫良) |
〔怪〕いわゆる猫又。西川筋に猫良の瀧、猫又の瀧がある。 |
ネジ | 〔林〕松の枝を捻じったもので、筏を繋ぎ合わすのに使った。串崎の西原の向かいにネジ山がある。但し、昭和の初め頃からカンを使うようになった(永井)。 |
ネジタキ (捻瀧) |
〔地〕ジグザグに捻じ折れながら奔下する瀧(谷垣内)。固有名詞にもある。 |
ネショウ | ①〔体〕寝小便。 ②〔名〕女の子(平谷) |
ネズミゴメ (鼠米) |
〔農・食〕米の一種。粒も小さく、収量も少ないが、独特の香りがする(大野)。 |
ネズミノモチ (鼠の餅) |
〔年〕正月に「ヤクザすんなよ(悪さするなよ)」といって天井裏へほうり上げてやる小さい餅(上葛川)。 |
ネズミトリ (鼠捕り) |
〔動〕アオダイショウ(上湯川・田戸・玉置川)。ヤシキマワリともいう(玉置川)。 |
ネズル | 〔他〕舌先で舐めて味わう。ネブル。 |
ネソ | 〔林〕筏や材木を括るのに用いる捻じ木。 |
ネツイ | 〔形〕①念入りな。 ②丁寧な。 ③しつこい。くどい。 ④けちな(玉置川)。 |
ネッカラ | 〔副〕一向に。 |
ネッコ | 〔植〕根。 |
ネッコギリ | 〔副〕とことんまで。徹底的に。 →トコギリ |
ネツラウ | 〔他〕狙う。ネツラガウとも。 |
ネツラガウ | 〔他〕ネツラウ。 |
ネドキ (寝時) |
〔時〕床に入る時分(谷垣内)。 |
ネドコ (寝床) |
〔住〕ナカノマ(デー)のキシ側の小部屋。若夫婦のヘヤで、息子に嫁をもらえば、ここを譲る(迫)。ネマともいう。 |
ネドリ (根取り) |
〔住〕普請の石搗きの際、石搗きキネの根もとに手を添えて石にあてがう役。2人(田戸)。 |
ネネ | 〔族〕赤ん坊。 |
ネハンコ (涅槃講) |
〔信〕旧2月朔日[さくじつ]をこう呼び、お釈迦様はこの日に死んで、卯月八日(旧4月8日)に生まれ変わって来る。「儂や なりたや お釈迦様の身に死んでまた来る お釈迦さん」(内原)。 |
ネバァ | 〔形〕ねばい。ねばねばしている。しつこい。 |
ネバッコイ | 〔形〕粘い。 |
ネブ | 〔植〕合歓木[ねむのき]。 |
ネブカ (根深) |
〔農・食〕葱[ねぎ](串崎・那知合ほか)。 |
ネブル | 〔他〕舐める。ネズル。 |
ネマ (寝間) |
〔住〕ナカノマの裏手の小部屋(五百瀬・内原・上葛川・旭)。上葛川では戸数の70~80%まで奥にネマがある。竹筒ではネヤ。上葛川では、オビヤにあった。 |
ネヤ (寝屋) |
①〔住〕寝間(竹筒)。大抵はナカノマに寝るが、家族が多ければオクノマにも寝、大きな家では奥にネヤがある。 →ネドコ ②〔動・狩〕冬季のシシの塒(ネグラ)。イワネ(岩蔭)や木の下など、すべてオカガカリの木の葉の多い暗い所。毎晩ネヤを変える(上葛川)。シカの塒もこういう(上葛川)。 |
ネヤス | 〔他〕①煮る。 ②例えば、小麦粉にぬるい湯を入れて太い箸で攪き回して粘りをつける。 |
ネライ (狙い) |
〔狩〕犬を連れずに、朝と晩シシがクズネ(葛の根)をガサガサ掘っている所を狙って射つこと(小坪瀬)。 |
ネリ | 〔筏〕メガからカンに代わった後の編み筏法で、フジカズラ(藤蔓)を両端を残して、よくネッて軟らかくしたもの(ネリ)をカンにとおして結び合わせた。 |
ネンギョウジ (年行事) |
〔村〕クミガシラの下の触れ役。社祠[しゃし]の世話役もこう呼ぶ(谷瀬・宇宮原・内原・旭)。内原では、惣代のいるカイトから出した。 |
ネンシャ | 〔人〕物事に念を入れる人。 |
ネンシュ (年酒) |
〔年〕正月の祝い酒。お神酒をタバッていただく。 |
ネンド | 〔体〕シリノネンド=肛門。「ゴウラゴ(河童)にシリノネンドヌカレル」(今西)。 |
ネントウ (年頭) |
〔年〕年頭礼。年始廻り。今西・松柱ではショウガツレイ(正月礼)ともいう。 |
ネントモノ (年頭物) |
〔年〕カドワケに持参する鏡餅(小坪滴)。 |