「マ」

マイ
(枚)
〔数〕。カイ(櫂)は、一カイ、二カイと数える。
マイカス 〔他〕①なくする。失う(平谷)。 ②しまう。 ③やめる。おわる。
マイカゼ 〔天〕つむじかぜ(川津・高津・内原・上葛川・重里・小山手・小坪瀬・上湯川大桧噌,寺垣内)。
マイマイ 〔体〕つむじ(那知合、二つあればニノジ)(三浦・野尻・小井・武蔵・小原・大野・小川・山手谷・猿飼・山手・谷垣内・重里・小山手・西中・松柱)。ギリギリとも。
マイマイカゼ
(舞い舞い風)
〔天〕つむじ風。マイカゼ、マエマエカゼ、カマイッタチとも。
マイマイムシ 〔動〕ミズスマシ
マイモ
(真芋)
〔農・食〕里芋。ホイモともいう(内原)。ホンノイモ(里芋)の一種(上葛川)。 →ホイモ
マイラセル
(参らせる)
〔他・信〕供える(谷瀬・旭)。オマス、マス、シンゼルともいう。
マイラッシャル
(参らっしゃる)
〔自〕亡くなる。「あそこの主人は、ヨンベ、マイラッシャッた」。
マイル
(参る)
〔他・敬〕食べる。召上がる。「御飯、マイラッシャレ」。
マウ 〔自〕①野菜類の葉が縮んでだめになっていく。「茄子がモウてあかんようになったわよ」。 ②(目が)まわる。
マエカケ
(前掛)
〔衣〕前掛。昔、女はフンドシ(腰巻)の上に三幅のマエカケをしめ、その上に着物を着た。屋内、屋外共にしめた。紐は細く、布はハンテンと共ぎれか、絣[かすり]や紺だった(五百瀬)。
マエグル 〔農〕棚田の上の田との境の畦畔。その草は大部分、上の田の持ち主が苅る権利を持つ。ウシログルに対していう(竹筒)。
マエゲ 〔農〕棚田の下手側の草付きの畦畔。シリゲに対していう(谷瀬)。
マエゴエ 〔農〕牛舎から出る肥料、厩肥[きゅうひ]。マヤゴエ。
マエゴエダシ 〔農〕マエゴエはマヤゴエ(厩肥[きゅうひ])の訛。これを掻き出す道具がマエゴエダシ。鉄のfork状の熊手で、フタツメ(2本歯)とミツメ(3本歯)があった。ミツメは備中鍬に似て歯が平たい。フタツメは丸歯で使い易かった。柄は約1.5m(小原・武蔵)。
マエザ
(前座)
〔住〕囲炉裏(ユルリ)のキシザの向かい座。客用(迫西川)。玉置川で言えば、ウシロザの向かいの座。いずれもウラザにあたる。
マエダレ
(前垂)
〔住〕軒端のウチオロシをこうも呼んだ(西中・谷瀬・谷垣内)。
マエビキ
(前挽)
〔林〕木挽の用いる大きな鋸の型。また、その目立て。
マエマエ 〔体〕つむじ(山天・出谷殿井・下葛川)。
マエマエカゼ 〔天〕つむじ風(谷瀬・山手)。
マエド 〔時〕先日。
マオドシ
(魔威し)
〔呪・住〕家の入口に貼ったり打ち付けたりするお札やニカダロウ(熊蜂)などの魔除(松柱)。
マカセル 〔他〕水をマカセに行く=詰まった水を引きに行く(上野地・天川村塩野・川上村)。「水、マカセニイク」とか「カケーイク」といった(武蔵)。上葛川では「水、ツレてくる」という。
マカナイゴト
(賄事)
〔社〕吉凶を問わず御馳走のこと(谷瀬)。
マカナウ
(賄う)
〔自〕(客や手伝い人に)食事を出す(谷瀬・谷垣内)。
マキ 〔地〕川筋で水流がいつも渦巻いている箇所。最寄りの地名や家号をとってクラモトマキ(湯泉地)などと呼ぶ(武蔵)。
マキ
(薪)
〔住〕薪。冬に用意したものである。
マキタテ 〔林〕スラ(修羅)のウデギを支えるための杭(切株などに括[くく]りつける)。カズラ(葛)で括りつけて、上にサオを載せる(田戸)。
マギタマル 〔自・動〕(蛇が)とぐろを巻く(今西・旭)。マギタマッとるという。
マキグワ 〔農〕①ハザキリ(玉置川)。 ②平鍬の一種で小型。軽く主に畑用。ハタウチには専らこれを使った(上葛川)。
マキソデ
(巻袖)
〔衣〕
マキビ 〔農・食〕南部のコキビ、中部のイナキビに同じ(旭)。
マグ
(婚ぐ)
〔婚・自〕男女相交わる。媾合する。 →ツビマギ
マグサ 〔農〕秣[まぐさ]。
マクシコム 〔他〕落とし込む。
マクズリオチル 〔自〕転げ落ちる。
マクバル 〔他〕配置する。
マクラ
(枕)
①〔衣〕睡眠用の枕。 ②〔林〕スラの枕材。サオの上に枕木状にのせる丸太。その上にサオと平行にヤダイを置く。サオ毎にハナマクラとシリマクラ(ケツマクラ)、中間にナカマクラ(田戸)。 ③〔林〕キンマの前後に打ちつける2枚の横木(上葛川・田戸)。 →マクラギ ④〔林〕キンマ道に並べる枕木。バンギ、マクラギともいう。 →バンギ ⑤〔林〕筏のカジにかませる枕木。 ⑥〔住〕家や田へ水を導くトユ(樋)の下にあてがうトイマクラ。 ⑦〔住〕ユルリの榾の傾斜を固定するためのホタマクラ。
マクライシ
(枕石)
〔葬〕墓壇のへりの石(谷垣内)。
マクラカス 〔他〕→マクル。
マクラギ
(枕木)
〔林〕→マクラ③④。
マクラメシ
(枕飯)
〔葬〕ノオクリの時、墓へ持って行く。この茶碗をタバッて来て、それで御飯を食べると夏負けせぬ(谷垣内)。
マクラモチ
(枕餅)
〔食〕イタチ(イッタチ)に同じ(上葛川)。
マクリ 〔村・農〕ジゲウチ(部落)の水田所有者たちの間で、田植え期間中は、今日は甲家、明日は乙家と片端から総出で片づけてゆくこと。勿論、テマ(ユイ)の一種である(神下下葛川)。
マクリツケル 〔他〕(無理に)人に責任など押しつける。「飯代はあの男にマクリツケたれよ」。
マクル ①〔他〕めくる。自動詞はマクレル。 ②ころげ落とす。倒す。うっちゃる。マクラカス。
マクレル 〔自〕①ころげ落ちる。倒れる。 ②めくれる。はぐれる。 ③落選する。
マグレル 〔自〕気を失う。気絶する。目がくらくらする。目が眩む。
マゲ
(曲げ)
〔林・工〕ワゲモノ(曲物)の原料として、山で桧を薄くヘイで積重ね桧の皮で括ったもの。これをモツ(運ぶ)のが女、子供で、いい収入になった(旭)。
マケタ 〔筏〕鉄砲堰用語。
マサオケ
(柾桶)
〔運〕水汲みなどに用いた担い桶。ニナイ、スギオケとも(内原)。
マサシイ 〔形〕人の災難を気味良く感ずること。
マサリハビ 〔動〕ハビ(蝮[まむし])が沢山一箇所に集まっていることがあり、木の葉までハビになるという。この状態をマサリハビという(旭)。
マサル 〔自〕①(水が)ふえる(川の増水など)。水というものは「飲みゃあマサルけど飲まにゃあ減る」ものだという(内原)。 ②作物や草木が繁茂する。「ここの麦ゃ、ようマサットルのーら」。
マス 〔他・信〕供える(内原)。一般にはオマス。
マスガタ
(枡型)
〔動〕蝮蛇(マムシ)が群をなして集まること。マスガタクム(田戸)。
マスクサ 〔植〕カヤツリクサ。
マスモノ
(枡物)
〔年〕「イノコの日はマスモノ出さん」-桝ではかるような物を出さぬ-枡を休ませる(上葛川)。
マセ 〔農・住〕牛小屋の閂。マセボウ、マセンボウともいう。 →カンヌキ、オロ
マゼ 〔天〕川上に向かって吹く風。戻り舟にはありがたかった(竹筒)。
マゼクル 〔他〕混ぜかえす。かきまぜる(那知合)。
マゼコミ
(混ぜ込み)
〔食〕五目飯(那知合・平谷)。カキマゼとも。
マセボウ 〔農・住〕牛舎の閂[かんぬき]。 →マセ
マゼメシ
(混ぜ飯)
〔食〕五目飯。カヤクメシ。マゼコミ。
マゼヤク
(混ぜ役)
〔農・食〕麦を搗く場合、水を加えて搗くから手で掻き混ぜる役が必ず一人要る(玉置川)。
マセンボウ 〔農・住〕牛舎の閂。 →マセ
マタギ
(叉木)
〔運〕二股になった木の枝2組組合せて作った簡単な担具。柴などを運ぶのに用いる。カタギ(担ぎ)ともいう(葛川筋)。高瀧でも見掛けたが名称は不明。
マタグラ 〔体〕股。モモタブラとも。特に内股(串崎・那知合)。
マタゲル
(跨げる)
〔他〕跨[また]ぐ。
マタタビカズラ 〔植・兆〕マタタビ。奥吉野では、この実を食べる風はない。マタタビカズラの葉が(みな上を向いて=裏がえって)白う見えればヒデリになる。(上葛川)。
マタハラス 〔他〕跨[また]がらす(竹筒)。
マチ
(待ち)
①〔狩〕マチウチの略。犬にシシを追わせてノテ(獣の通り径)で待ち受けて射つこと(上葛川)。猪の通る路、その場所をマチバという。マチウチ、ウチマチともいう。 ②〔農〕苗の前後の間隔。これに対して左右の間隔をコアイという(小坪瀬)。
マチウチ
(待射ち)
〔狩〕マチに同じ(出谷・上葛川)。 →マチ
マチバ
(待場)
〔狩〕マチウチ(マチ)の際に待ち構える場所(上葛川)。
マツ
(松)
①〔植〕松の木。 ②〔住〕コエマツ(脂松)。 →コエマツ「マツアカス」=トウダイでマツを燃やして照明する。
マツイチゴ
(松苺)
〔植・食〕松の木につくマツグミの実。子供たちが食べる(松柱)
マツガサ 〔衣〕径2尺くらいの桧笠、男女共通。紀州の皆地(みなち)から売りに来たのでミナチガサと言った(内原)。
マツクスベ
(松燻ベ)
〔年〕トシゴイ(節分)のとき、柊[ひいらぎ]の葉と塩鰯の頭を竹に挟んでマツ(コエマツ)で燻[くす]べたもの(上葛川)。
マツキリ
(松切り)
〔住〕トウダイ用のマツ(コエマツ)を切って来ること。専ら冬の仕事だったが、正月の月には家へ持って来てはならぬ。やむえぬ時は、新に添えて持って来た。毎日夕方に細かく割ってトウダイでアカシてヨナベした(東中)。 →マットリ。
マツグミ
(松茱)
〔植〕松につく植物で、その実をマツイチゴといって子供がとって食べる(松柱)。
マツクベ
(松くべ)
〔住〕ヨナベの時、トウダイのマツ②をくべ添える役。女の子の仕事だった(上葛川)。
マヅケ 〔住・林〕細かく薄く剥いだ竹、桧編みの日の細かい腰付け篭。これを腰に付けて木に登り、杉桧の種子を採取する(小原・武蔵)。
マッコ 〔植〕抹香か。シキビ(樒)のこと(田戸・玉置川)。マッコノキ、コウノハナともいう。
マッコウクワバラ 〔呪〕雪除けの呪文(上湯川)。
マッコト 〔副〕「まこと」の強調。本当に。マッシキとも。
マッコノキ
(抹香の木)
〔植〕シキビ(玉置川)。
マッサラ 〔副〕よもや。
マッサラサ 〔言〕(言うもさらなり)言うまでもない。「人を悪く言うお前の方がマッサラサだ」。さらさら。
マッシキ 〔副〕ほんとうに。「病気がマッシキ悪けりゃ医者にかかれ」。マッコト。
マツシラガ
(松白髪)
〔植〕サルオガゼ。
マッシララ 〔動〕コガラのこと。マッチララとも。
マツセゴ 〔住〕松のコエタ(脂の多い)部分。倒伏した松のいい部分をとって来ることをマツセゴヒライ(拾い)といった。小さく割ってアカスためである(田戸)。
マツセゴヒライ 〔住〕マツセコを探し集めて廻る作業。マツをアカスた頃の女達の大切な仕事の一つであった(田戸)。→マツトリ。マツセゴ。
マツダイ 〔住〕たいまつ(松柱・西中)。「マツダイは必ず数本束ねて用いる。一本マツはたかれん」(松柱)。
マッタイラ 〔形〕①平らであること。水平。 ②正真正銘。
マッタテ 〔形〕垂直。「瀧がマッタテに落ちている」(上葛川)。
マツダワラ
(松俵)
〔植〕まつかさ(三浦・野尻・武蔵・大野・山手谷・猿飼・桑畑・下葛川)。マツチチリ(小山手・小坪瀬)。マツチッチリ(重里)。マツチッチロ(小山手栃尾)。
マッチララ 〔動〕コガラ。マッシララとも。
マット 〔副〕もっと。
マットウ 〔形〕まとも。真面目。
マツトリ 〔住〕山へマツ(コエマツ)を集めに行くこと(谷垣内・旭)。マツキリ、マツセコヒライとも。
マツノタイ 〔住〕たいまつ。「マツ」はコエマツ、「タイ」は手火(上湯川)。西川筋ではマツダイ。 →マツダイ。
マツノタワラ 〔植〕まつかさ(山天・三浦・小川・山手・谷垣内・上葛川)。
マツノチンチロ 〔植〕まつかさ(川津)。
マツフド 〔植〕茯苓(ブクリョウ)。サルノコシカケに似た大きな茸。牛の薬になる(上湯川)。これを採るための専用の道具がある(ブクリョウツキ)。マツホドとも。
マツフグリ 〔植〕松毬[まつかさ]。フグリは睾丸のこと。
マツヤニ
(松脂)
〔職〕
マツリドウヤ
(祭頭屋)
〔信〕祭の担当頭屋。マツリヤドともいう(上湯川大井谷)。
マツリヤド
(祭宿)
〔信〕マツリドウヤに同じ(上湯川大井谷)。
マツンタワラ 〔植〕まつかさ(那知合)。
マトウ 〔他〕償う。
マドシ 〔植・農〕カキ、シイなど1年交代で実のよくつく年と、つかぬ年があることにいう。例-「シイはマドシがある」(込之上)。
マドリ
(間取り)
〔住〕
マナ 〔農・食〕菜の一種(旭)。
マナカ 〔名〕一間の半分。3尺。
マネキ 〔住〕ウラ(表)の石垣の直ぐ下あたりを指す(上葛川)。
マバイイ 〔形〕まばゆい。ババイイ。
マビキ
(間引き)
〔産〕口減らしのために出産直後の子を密かに無いものにしたという。それは取り上げ婆の役だったという。間引きされた子は、「使いに出した」と称した。
マヒゲ 〔体〕眉。眉毛。昔は女の子が出来ると落とした。ヒゲは毛。
マブ 〔農〕棚田の畦畔の叢地。上の田の持ち主は上から手を伸ばして鎌の届く範囲までの草を刈ってもいい。
マブル 〔他〕①(粉、餡[あん]などを)まぶす。 ②なすりつける。
マフングリ 〔体〕ものもらい。
マボウシ 〔林〕スラのサオを下から支える垂直の支柱。括[くく]らずに下から受けるだけ。下にホウシジリとて礎石を据える(田戸)。 →ホウシ
ママオヤ 〔族〕継父[けいふ]。継母[けいぼ]。
ママコナ
(継子菜)
〔植・食〕ハナイカダ。若芽を食べる。葉の裏に実がつく独特の生態を説く昔話がある(谷垣内)。
ママダケ 〔植〕丸竹(田戸)。
マミ 〔林〕立木の山側の面。材質が柔らかい。アテに対していう。
マメウエドリ
(豆植え鳥)
〔動〕郭公[かっこう]。この鳥が鳴く頃になると豆類を播く。ムギウラシドリともいう。 →ムギウラシドリ
マメガタイ 〔形・体〕健康で丈夫な形容。
マメクジラ 〔動〕なめくじ(蛞蝓)(平谷)。マメクジリ、ノリヒキともいう。
マメクジリ 〔動〕なめくじ(蛞蝓)。 →マメクジラ
マメタバリ 〔年〕昔、節分(カミノトシコシ)に子供たちが「ダイズ(大豆)買おう、ショウズ(小豆)買おう、ナカネ(中根、今の鶴仲家)のイッカケ買おう」と唱えながら中根家(当時全盛)に押し掛け、煎ったキリコを貰った。これをマメタバリ(豆貰い)といった(内原奥里)。
マメノコ
(豆の粉)
〔食〕黄粉。
マメノコドラシ 〔食〕きなこだんご。
マメバチ
(豆蜂)
〔動〕首筋から腰まで赤黄色の蜂(旭)。
マメメンゲツ
(豆名月)
〔年〕旧暦9月13日の名月。大豆のハツボ(初穂)を一株畑から引いて来て株ごと竿の先に吊るしてカドに立てた(上湯川寺垣内)。
マヤ
(馬屋)
①〔住・農〕ウシノマヤ。牛舎(猿飼・上葛川)。 ②〔林〕スラの起点や途中の材木の溜まり。同時に滑落の衝撃を和らげる(西川筋)。マヤを設けることをマヤヲハルという。
マヤゴエ
(厩肥)
〔農〕牛舎の厩肥[きゅうひ]は貴重な肥料源で、それを取るためにも大抵の家で牛を飼っていた。マエゴエダシで掻出して、モッコで畑へ運び、またクサナヤ(クサゴヤ)に貯えておく。 →マエゴエダシ
マヤコタギ 〔人〕→ヤマコタギ
マユマイ 〔体〕つむじ(小坪瀬)。
マユマエ 〔体〕つむじ(小坪瀬)。
マヨケ
(魔除け)
①〔葬〕 ②〔産〕
マヨコ
(真横)
〔形〕他の所と比べて高さがほぼ同じ(-水平-)ことにいう。例-「大野の一番下の家と森の一番上の家とマヨコになる」。
マル
(丸)
〔製〕樽丸。イタミともいう(神下下葛川)。 →イタミ マルツクリ=樽丸師。
マルアンド 〔住〕丸行燈。
マルオイソ 〔運〕全部縄になったオイソ(負い紐)(谷垣内)。
マルカベヨキ 〔林・製〕炭木切り用のヨキ(田戸)。
マルケル 〔他〕つかねる。乱暴に集める。「そんなにマルケさがすな」。
マルコナレ 〔芸〕(丸こなれ)「輪になれ」の義。盆踊りの一つ。
マルツクリ
(丸作り)
①〔製〕樽丸製造専門の職人(竹筒・田戸)。 ②〔林〕カズラや針金を環状に束ねる。
マルトビ
(丸跳び)
〔遊〕円をいくつも描いておいて、それを片足で跳ぶ(上葛川)。
マルボシ
(丸干し)
〔食〕特に甘藷のごく小さいものは茎をつけたまま蒸して天井裏に吊るして干す(西川)。
マルボン
(丸盆)
〔食〕①丸盆。 ②ベタゼンの一種。胡桃[くるみ]のような脚が三つついたもの(谷垣内)。
マルメッパ 〔食〕メッパの円形のもの。これが普通の形である(小判型に村し)。
マルメモチ
(丸め餅)
〔食〕丸餅。キリモチ(切餅)に対していう(小坪瀬)。
マルワゲ
(丸髷)
〔衣〕丸髷[まるまげ]。人妻の印。ワゲは髷。
マワシ
(廻し)
〔衣〕褌[ふんどし]。→ロクシャク
マワリ ①〔名〕仕事の手配。準備。マワリスル。 ②〔住〕背戸側の小部屋の総称(竹筒)。 ③〔村〕まわりもち(高瀧)。
マワル 〔自〕よくマワル人。よく働く人。
マンザイ
(萬歳)
〔交・芸〕
マンジャク 〔植〕曼珠沙華[まんじゅしゃげ](ヒガンバナ)。根はオイモチ(上湯川・松柱)。北部ではマンジャクとは言わず、オイモチノハナという。
マンジュウガサ
(饅頭笠)
〔衣〕カブチャガサに同じ(神下下葛川)。 →カブチャガサ。
マンショウジ
(万生寺)
〔芸〕
マンリキ 〔林〕滑車。