「あ」

・あー (発語)あーかなわん あー遠い
・あーがや 蘆[あし]
・あい 暇(三重県志摩郡・高知) 平常(岐阜県恵那郡)
・あいおいに その後すぐに
・あいかけ 魚名
・あいがはり 交互に
・あいかり 低能 まぬけ(奈良) あやかり(三重県志摩郡・福井・対馬・和歌山県日高郡・壱岐)
・あいかりぼーし 低能者 馬鹿者
・あいこ 勝負なし [童]ジャンケン
・あいさ 間 事と事との間 或いは物と物との問(近畿一帯)あわいさ
・あいじょう ちゃんと 按梅よく
・あいだ 発語 あれ “あいだ行かなんだのか” 「あいーだ」と言うときもある
・あいま 合間 事と事との間 “あいまあいまに” ひまひまに
・あえもの 野菜等煮たものを味噌、醤油等で味をつけたもの
→あいもの 新潟・岡山にては乾魚塩魚の終桶
・あえる “あえもの”を作ること 古語“あゆ”
◎果実などの熟して落ちること(久留米・兵庫・鳥取・徳島・山口・九州)
◎汗などの滴り落ちること(徳島・大隅)
◎膿などの流れ出ること(出雲)
・あおきしば 青木柴 本邦特産 アオキ
・あおたれる 気勢に押される
・あおつ あおぐ “火をあおつ”(三重・和歌山・京都・島根)
・あおのく 仰向く
・あおのけ (→「あおのく」に同じ)
・あおばと 山鳩
・あおびき びき=蛙 あま蛙 青蛙(唐津・岡山・山口・徳島・九州・高知県安芸郡)
(物類称呼)
・あおら 物の動きによって起る風 あおり風(淡路島 團扇 岐阜・奈良・島根)
・あおる あおぐこと
・あか 銅 あかがね
・あがー あちら あの方面 あがーえ あがーうえー あがーかみ
・あがーうえ あの上
・あがーな あんな
・あがーに あんなに
・あがーへ あちらへ
・あかい 明るい(大阪「浪花聞書」近畿以西)
・あかす 灯す 「燈をあかす」(盛岡“御国通辞”)
・あがり 昼あがり 終りの意 学校は昼あがりぢゃー
・あがりと 上がりがまち 玄関
・あがる 学校を “あがった” 卒業した
・あかん 駄目だ 「アク」の打消(大阪・中部・近畿・四国)
・あく ①灰汁 炭火に出来る白い灰 灰の意で「火鉢のあく」(庄内(浜萩)・東北・栃木・群馬・新潟・長野・三重県南牟婁郡・宮崎県延岡)
②あかん
③できる 足りる 具合よくいく(和歌山県東牟婁)
④植物の苦味(或種の)
・あくだし 苦味を除去する 一般に茹でる 又はその後長時間水に浸す(わらび、ぜんまい、よもぎ等)
・あくぬき (→「あくだし」に同じ)
・あくもんじゃなー 駄目だ
・あくをぬく (→「あくだし」に同じ)
・あけのあさ 明けの朝 翌朝
・あけのひ 明くる日 翌日
・あげやま 低地の木材を高所にあげること あげてやえん(や部参照)にて運送する
・あげら 阿谷の砂(陸)地の部分
・あける あせる 色のあせること
・あげる ①(新潟県中魚沼郡・石見・山口・壱岐・熊本)ゴキブリのこと
②「与える」のやや丁寧なもの
・あこーい 駄目だ
・あこーなる 明るくなる 赤くなる アカク→アコウ→アコー
・あさぎ 朝 朝の間 長野・淡路島 和歌山・奈良では朝食前・朝食前にする仕事
・あさづけ 浅漬 短時間の漬物 野菜を塩づけ等にして一昼夜程度で食用する
ぬかみそ潰(大阪・筑後・久留米・富山・福井・和歌山・広島・佐賀)
・あさって 見当ちがい(岩手県九戸郡)“あいつはアサッテの方を見ている”
・あざとい あさはか 深い考えもない(三重県度会郡・奈良・淡路島)
・あざとい こざかしい 小利口
・あさとー 朝早く(肥後菊地郡では朝の意)
・あじ 魚(和歌山県有田郡)
・あしからん ない
・あしかりくさる あしかるの強調語 “あそこには金があしかる(あしかりくさる)”
・あしかる あるの悪語
・あしこ あそこ
・あしのとも かかと(三重・奈良・和歌山)
・あじめる あるべき場所におく 仕舞いこむ 整頓する 
・あしもとをみる 足元をみすかす 他人の弱点をいう
・あすかる 要るべき出費が安くて(なくて)すむ 助かる
・あぜくりむし あぜとほし
・あぜほりむし あぜとほし
・あぜまめ 畦に植えた莢[さや]大豆
・あたし 周囲 “そこらあたし” あたり
・あだな たやすい
・あたまごなしに 頭から 言い訳なしに
・あたまねき 頭のそば (ねき参照)
・あだやおろかで 一寸やそっとで “あだやおろかでできるもんじゃーない
“あだ”(伊豆・長野・但馬・出雲)
・あたる 食中毒或はさわる 触れる(新潟)
・あつげ 暑気 あつげあたり 暑気当り
・あっちこっち 「彼方此方」 反対
右同(岩手・関東・長野・北陸・美濃・三重・山口・九州)
・あっちゃこっちゃ (→「あっちこっち」に同じ)
(山形県・村山・尾張・美濃・富山・石川・福井・近畿・鳥取・四国・九州)
・あっちゃべら あちら側
・あっつろう あったろう “そこにあっつろう”
・あっつろーがい (→「あっつろう」に同じ)
・アッポ シャッポ [童]帽子
・あっぽ ①[童]おばかさん
②(福井県大野郡-団子)
③(栃木県塩谷郡・飛騨・福井-餅)
④(長崎五島-ぞうり・はきもの)
⑤(奈良-ぞうり)すべて童語
・あっぽちん 阿呆 (→「あっぽ」に同じ)
・あつらえる 注文する 頼む-(津軽)(青森・秋田・山形にては“あづける”)
・あて 樹木を伐り倒すとき、その倒そうと思う側を斧で深く切りこんでおくこと(吉野郡)
・あてこすり 皮肉
・あてづっぽう 無見当 当推坊[あてずっぽう]の急呼転にて当推量の擬人語
・あといりさんばい 後入三杯 宴会等の遅参者に洒盃三杯をすすめる たてつけさんばい(長崎県対馬)
・あとえする 二の足をふむ
・あときびす かかと
・あとくち 後口 後味 物を食べた後の口中の味覚、転じて物事の後又は物をいった後の感じ
「後口が悪い」
・あとさし 二人が足をつき合わせてねること “炬燵[こたつ]をあとさしにしてねる”
・あとに 先頃
・あとにゃー 先般は 先日は “あとにゃーおーきに”=先日は有難う
・あとのつき 先月 後の月?
・あねさ
・あの おまえ
・あのの あのね
・あののーら あのねー
・あば 蜘蛛の巣 流材を捕捉する設備
・あばあばあー [童]口を手で開閉して発声する 子供をあやすにいう「ちょちちょちあばあばあ」
・あばえる 甘える
・あばなう 「傷をあばなう」 用心する
・あばやかす あやす 甘えさせる “あばかす”(山形県米沢)
・あぶあぶする 水に溺れてもがく あっぶあっぶする
・あぶせる 浴せる “風呂をあぶせる”
・あぶつ 煽[あお]ぐ(尾張・美濃・奈良)
・あぶらをうる おしゃベりをする
・あぶり …のあぶり 鮎の炙[あぶ]り 魚類を火で炙ったもの
・あぶりこ 炙り鋼(鹿児島・盛岡・宮城・佐渡・和歌山・隠岐) てっきゅう(鹿児島)
・あぶる 鮎を “あぶる” 手を “あぶる” 焦げない程度で火にあてる
(福井・京都加佐郡・対島↓“あどめる”)(愛媛県大三島=味わう)
・あほうだら あほうの延言 阿呆太郎 (=あほんだら)
・あほうむし 馬鹿のように(愛媛県周桑郡・高知)あほうむしのように働く
・あほんだら 阿呆太郎 馬鹿者(奈良・和歌山・大阪)
・あほんだらぼーし (→「あほんだら」に同じ)
・あま
女を悪くいう “あのあま” あの女
・あまざけ 白酒(和歌山県・徳島美馬郡)
・あまず 黍の莖の甘汁 古語 “甘葛[づら]”
・あまだるい 甘ったるい味
・あまつこ 女の子
・あまのこ あまの子 (→[あま]に同じ) 女の子
・あまめ ①油虫(薩摩・三重・和歌山・九州)
②火にあたって手足の肌に生ずる斑点 “あまめができる”火だこ
・あみだくじ 阿彌陀籤 多人数で菓子等を買う場合、割カンにしないで金額に差異をつけ籤を引 き一定の金額を集める
・あめ あめのうおの略 やまめ
・あめのうお やまめ(和歌山・愛媛県松山)「かわむつ きすご」
・あやち 区別
・あら ①水流中岩石の多い所 川の水流のはげしい所(静岡県周智郡)
②肉片のついた魚肉の骨
・あらい 粗い 大きい
・あらくたい 荒くれの転 乱暴(三重・奈良・和歌山・京都・大阪・徳島)
・あらける ①片付ける 整頓する(三重・和歌山・淡路・四国)
②間をあける・下草を刈る・火をかきたてる・開く等の意に使用する地方あり
・あらづき 荒(粗)づき 穀類を脱穀するときの初めの段階
・あらぶく 塩水をのむ 燐寸の切水を呑む  
・あらをおこす 水田を牛ですくときの大ざっぱなすき方
・ありょう あれを
・あれ
・あればりょう 木材を運搬する場合、通過する土地所有者に対する報償
・あれら あの人たち
・あれ 彼が
・あれん あの人 あの人が
・あわす 渋ぬき “柿をあわす”
・あをくさい 馬鹿らしい
・あをなめっそう 青大将
・あんき 安気
・あんこ 炬燵[こたつ]
・あんじょう 具合よく(近畿・福井・岡山・香川・徳島)
・あんの あのね
・あんばよう 具合よく 良いように
・あんび あん
・あんびもち あん入りの餅
・あんぽんたん 馬鹿者