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やすお君の家には,ひいじいさんが,昔使っていた,大きなのこぎりがあります。ひいじいさんは,「こびき」といって,この大きなのこぎりを使って,木を板にひいていたそうです。
今,せい材所をしているおじいさんは,わかいころ,木を切る仕事をしていました。 |
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やすお君のおじいさんの話 |
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わたしは,「そまし」といって,木を切る仕事をしていた。のこぎりやよきを使って,大きな杉やひのきを切りたおすのだ。「とまり木」といって山おくに小屋をたて,何日も,そこではたらいていた。
切った木は,「ひようし」といって,材木を運ぶ人たちが,しゅら・やえん・かりかわなどで,川や木馬道まで運び出したんだ。 道のついているところは,「木馬ひき」とよばれる人たちが,木馬の上に材木をのせて,牛や馬に引っぱらせて運んでいた。 |
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しゅら…… |
山のしゃ面を利用して材木をすべらせていく方法 |
かりかわ… |
大雨で谷の水がふえるのを待ち,材木を広い川まで流し出す方法。 |
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さとみさんのおじいさんは,いかだに乗って川をくだり,材木を新宮まで運んでいたそうです。 |
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さとみさんのおじいさんの話 |
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30年あまり前は,今のような道路がなかったので,材木を町へ売りに行くには,川を使うしかなかった。
川にてっぽうせぎをつくり,材木をいかだに組んで,てっぽうせぎの水といっしよに流し,新宮まで運んでいったんだ。いかだに乗る人を「いかだし」といって,たいへんな仕事だった。とくにてっぽうせぎから流れ出るときは,こわかったよ。水がひざまでもくるので,落ちないようバランスをとるのがむずかしかったね。それに,材木を岩に当ててきずつけないようにかじをとるのがたいへんだった。たったふたりで,トラック1台ぶんほどの材木を,さおとかいだけで,流していくんだからね。 |
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