(52) のぞき-我等の少年時代、玉置祭りに来てゐた。これを一所懸命覗いたものである。記憶に殘るものでは、伊藤博文侯のハルピン遭難の場面、節をつけて説明する。「六連發のピストルでェ 打ち出す弾は侯爵の- 胸に當りて大騒ぎ- ………」今もある紙芝居と同じであるが、レンズで大きく見ゆる様にしてあった。極彩色の画が、次々に変はり、節面白く説明するので樂しみだった。