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読めばわかる |
順当な結果の起こる仮定条件を示す「ば」 |
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一に一をたせば二になる |
ある条件が備われば、いつでもあることがらが起こる条件を示す「ば」 |
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池もあれば林もある |
同趣のことがらを並べあげるのに用いる「ば」 |
「ば」は上の如くつかわれるが、十津川言葉では「ば」はおそらく用いない。
「ば」は動詞、形容詞、助動詞の仮定形につく語で、既に述べた通り「ば」のつく語尾が変化してのばされる。
例 |
読めば |
よみゃー |
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たせば |
たしゃー |
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あれば |
ありゃー |
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行けば |
行きゃー |
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見るとわかる |
順当な結果の起こる仮定条件を示す「ば」に同じ「と」 |
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一に一をたすと二になる |
ある条件がそなわればいつでもある事が起こる場合の条件を表す「と」 |
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家へ帰ると日が暮れた |
あることがらの起こったその場合、その時を表す「ば」に同じ「と」 |
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行こうと行くまいと勝手だ |
「とも」の意味を表す「と」 |
格助詞の「と」は体言または体言に準ずる語についていたが接続詞の「と」は用言または助動詞の終止形につく。
十津川に於ては「とも」の意味を表す「と」はよくつかうが、それ以外の「と」はあまり用いないで「たら」「だら」をつかう。
例 |
見るとわかる |
見たらわかる |
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読むとわかる |
読んだらわかる |
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一に一をたすと二になる |
一に一をたしたら二になる |
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家へ帰ると日が暮れた |
家へ帰ったら日が暮れた |
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今日は行ってもいないでしょう |
順当でない結果が起こる仮定条件を表す「ても」 |
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いくら言ってもきかない |
順当でない結果が起こる確定条件を表す「ても」 |
「ても」「でも」は上の如くつかわれ、十津川に於ても正しくつかわれている。 |
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寒いけれど(も)辛抱します |
順当でない結果が起こる確定条件を表す |
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文章も上手ですけど字も上手です |
事実を対比的に並べあげるのに用いる「けど」は婦人語で男子はあまり用いない。 |
「けれど」「けれども」「けど」は上の如くつかわれるが、十津川では「けんど」とつかう。
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寒いけれど辛抱します |
寒いけんど辛抱する |
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不便な所ですけど遊びにいらっしゃい |
不便な所ぢゃけんど遊びに来い |
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道が悪いので歩かれない |
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雨が降るから遠足がなくなった |
何れも動作作用の原因理由を表す |
「ので」「から」は上の如くつかわれ十津川に於ても普通につかってはいるが、これに相当する言葉に「よって」と「すかあ」というのがあって、それが多くつかわれる。
例 |
道ん悪いよって歩かれん |
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雨ん降るすかあ遠足んのうなった |
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雨は降るし、風は吹くし、困った |
並列の意を表す。 |
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朝は早いし、夜は遅いし逢う時がない |
二つ以上重なった原因理由を示す |
「し」は上の如くつかい、十津川でも普通につかわれている。 |
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花が咲いて実がなる |
前後を接続する順態 |
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知っていても言わない |
前後を接続する逆態 |
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赤くて美しい |
前後を接続する並列 |
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紐が長いので切った |
動作作用の原因理由を表す |
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持っている、調べてない |
動詞と補助用言とを接続する |
「て」「で」は上の如くつかい、十津川でも普通につかわれている。然し動詞と補助用言の接続する場合の「て」は用いないで「ている」が「とる」となることは既に述べた通りである。前後を接続する逆態の場合は動詞と補助用言のようにも見える。こんな時の「て」は用いないで次の如くにつかう。
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知っていても言わない |
知っとっても言わん |
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本を読んでないと駄目です |
本をよぅーどらにゃーあかん |
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泣きながら勉強する |
二つの動作が同時に行われる意味を表す(……つつの意) |
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知っていながら言わない |
順当でない結果が起こることを表す(……にもかかわらずの意) |
「ながら」は上の如くにつかわれ、十津川でも普通につかっているが、然し二つの動作が同時に行われる意味を表す場合の「ながら」はあまり用いないで「もうて」をつかう。
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泣きもうて勉強する |
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仕事をしもうて歌をうたう |
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歩きもうて考えた |
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人が出たり、入ったりしている |
動作の並列を表す |
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ノートに落書したりしてはならぬ |
同趣のいろいろな場合を含めて概活的に示す |
「たり」は上のようにつかわれ、十津川でも普通につかわれている。 |
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もっと早く来ればよいものを… |
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合格とは思っていたものの |
以上「ものを」「ものの」は接続助詞に準ずるもので、十津川に於ても普通につかわれている。 |
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いくら考えたところでよい考えはない |
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試みに受験したところ(が)パスした |
上の如くつかわれるが、十津川に於ては「とこ」といって「ろ」が省かれる。
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いくら考えたとこでよい考えはない |
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試みに受験したとこパスした |
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