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冬が去った
大工が家を建てた
上の「た」は過去または完了の助動詞である。「冬が去った」の「た」は普通私どものいう過去を表し「家を建てた」の「た」はことがらが完結した意味を表している。
この「た」は動詞、形容詞、形容動詞、及び助動詞の連用形につく語である。
例 |
私は運動した |
動詞につく |
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あの花は美しかった |
形容詞につく |
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昨日は暖かだった |
形容動詞につく |
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字を書かせた |
助動詞につく |
この「た」が五段活用動詞のが行、は行、ま行、な行の連用形につく時は「だ」となる。
例 |
泳いだ |
が行 |
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飛んだ |
ば行 |
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死んだ |
な行 |
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読んだ |
ま行 |
「た」の活用は次の如し |
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品詞 |
語 |
未然 |
連用 |
終止 |
連体 |
仮定 |
う、に連なる |
た、ある、に続く |
言いきる |
のに、に続く |
ば、は省略する |
動詞 |
運動した |
たろ |
○ |
た |
た |
たら |
形容詞 |
楽しかった |
たろ |
○ |
た |
た |
たら |
形容動詞 |
暖かだった |
たろ |
○ |
た |
た |
たら |
助動詞 |
書かせた |
たろ |
○ |
た |
た |
たら |
ま行動詞 |
読んだ |
たろ |
○ |
だ |
だ |
だら |
過去及び完了の助動詞「た」も仮定形「ば」に連なる時、「ば」を省略する。 |
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十津川に於てはこの過去及び完了の助動詞が動詞につく時、動詞の語尾が変化することは先に述べた。
未然形「たろ」は十津川では「つろ」となり「だろ」は「づろ」となる。
例 |
走ったろう |
走っつろう |
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行ったろう |
行っつろう |
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楽しかったろう |
楽しかっつろう |
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静かだったろう |
静かぢゃっつろう |
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飛んだろう |
とぉーづろう |
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読んだろう |
よぉーづろう |
十津川に於ては過去及び完了の助動詞の「た」が、打消の助動詞「ない」の連体形につく時「なかった」となるべきを「なんだ」とつかうことは打消の助動詞のところで述べた。
然し「た」が形容詞の「ない」の連用形につく時は「なかった」と普通につかう。
例 |
走らなかった |
走らなんだ |
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飛ばなかった |
飛ばなんだ |
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面白くなかった |
おもしろーなかった |
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楽しくなかった |
楽しゅうなかった |
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