十津川探検 ~十津川言葉~
(九)助動詞の十津川言葉
(5)自発の助動詞及び尊敬の助動詞の十津川言葉
(イ)自発の助動詞及び尊敬の助動詞の正しいつかい方
   病人が安じられる
   正月が待たれる
   先生が本を読まれる
   先生がお話せられる
 上の「安じられる」「待たれる」の「られる」「れる」は、自発の助動詞で動詞の未然形について動作が自然に起る意味を表わす。
 「読まれる」「お話せられる」の「れる」「られる」は尊敬の助動詞で動詞の未然形について尊敬の意味を表す。
 自発の助動詞も尊敬の助動詞も活用のし方は大体受身の助動詞と同様である。
(ロ)十津川に於ける自発の助動詞と尊敬の助動詞
 十津川に於ては自発の助動詞はいくらかつかわれる。
例えば「よそえいとーる子供らどがあにしとーるか安じられる」という言葉は聞くがその他あまり聞かない。尊敬の助動詞にいたっては殆んどつかわれない。「先生が話した」とは聞いても、「お話せられた」とはめったに聞いたことがない。
 

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