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昔、あるところに、庭に一本、大きな椋[むく]の木が立っている家があった。
この家には椋之助という息子がおった。
また、その隣には、きりょうよしの娘がいて、よい婿[むこ]はいないかと探しておった。
椋之助は少々変り者じゃったので、隣の娘にはまったく相手にしてもらえなかった。
椋之助は、婿になる方法を考えた。
ある日、椋之助は、夜になるのを待って、ムクドリに提灯[ちょうちん]をつけ椋の木によしのぼり、大声で、
「おうい、隣の椋之助を婿にもらわんと、たいへんじゃぁぞ。お前の家は潰れるぞ。」
と、隣に向かって叫び、バタバタとムクドリを飛ばしたからたまらない。
隣では大さわぎとなり、とうとう椋之助を婿にとることにしたそうな。めでたし、めでたし。 |
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話者 |
小森 |
西田 ワサノ |
記録 |
湯之原 |
大野 寿男 |
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