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内原のせんぎり橋の下、宮の平という所に舟の形をした大きな石があるんじゃ。これを石舟と言っておる。
昔、内原には、栗平[くりだいら]の神さん、花瀬の神さん、それに宮谷の熊谷権現さんの三つの社があったそうな。
ある時、三つの神さんを一カ所に合祀[ごうし]することになった。
宮谷の熊谷権現さんは、この石舟に乗って川を下って来なさったということじゃ。
わしら、子供の頃、川へ泳ぎに行くと、
「おまえら、あの石だけには上るなよ、ばちがあたるでよ。」
と、年寄りから言われたものじゃ。
熊谷口のもとの宮さんの前の川には、今も大きな石があって、それを七巻き半もする大蛇がいたそうじゃ。
花瀬の神さんのつかいは狼じゃと言われておる。
合祀されたお宮さんは水害や洪水にあって、上へあげ、現在の場所に祀[まつ]られているが、この石舟だけはどんな大水にも動かないそうな。 |
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