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ずっとむかしのこと、鳥が集まって、酒屋で酒を飲んだのだそうだ。良い機げんで飲んでいたが、さて、支払いというときになって、もずはほととぎすに借りをした。しばらくして、ほととぎすは、もずのところに行って、貸した金を返してくれるように請求した。ところが、ずるいもずは「きっちり払うた。」というもんで、言い争いになった。実際には、支払ってなかったんだと。
すごい言い争いの結果、負けたもずは、借りた金の支払いを、虫でするという約束をしたんだそうだ。
そのことがあってから、もずは「きっちり払うた、きっちり払うた。」と鳴くのだそうだ。ほととぎすにしてみると、なかなかきちんと支払いをしないものだから、今でも「ほっても(それでも)取ってやる、ほっても取ってやる。」と鳴くのだという。 |
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話者 |
那知合 |
後木 たけ |
記録 |
那知合 |
後木 隼一 |
(日本標準社刊「奈良の伝説」から) |
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