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明治の政体の閥族政治の面に官吏侮辱罪があったことを幽かに知ってゐる。凡そ官吏は物凄く威張りくさってゐたもので、逆に庶民はヘイヘイであった。例へば國家専賣となったと云ふだけで、何でもない煙草専賣員が店頭に來たり、大声あげて叱らねば損のやうに、少しでも不備なことがあると便不便の理非は無用に、父ら叱られてゐるのを見た。疲れると平常の役人となり、怒ると閻魔大王の如く手がつけられなかった。(西吉野の)宗檜村ではあまりに叱り過ぎ、店の親父が逆に怒って逆上して、鉈にて斬りつけしと云ふ話もあった。
東直晴氏補足-昭和34~5年頃、上葛川では税務署員が猟銃を突きつけられ、色を失して逃げたことあり。 |
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