我、今、大毎発行の木村氏の『チベット10年』を読み終へ、世界情勢をみると、この原子力ロケット時代の文明と、その根底においては野蛮極まるモンゴル青海あたり、また宗教へ堕落して國家観念のないチベット人も茫漠の砂漠、草原の彼らも、本質にては我々と大した違ひもないものと錯覚する。この中にみんなある。