十津川探検 ~瀞洞夜話~
蜜蜂をつけると云ふこと
   今、飼育さるる蜜蜂は分蜂のとき、飛び去ることあり。任意の巨木の洞穴などに巣をなして、時には8升も蜜を得たと云ふ人もあり。
 この山蜜を身近より追究して山深く至り、之を發見する人ありき。まず近辺の□□□の辺りにしきりに蜂の來るとき、蜂蜜を小皿に入れて側に置くと忽ち之に蜂集まる。次にその來り通ふ方向を定めて、徐々に之をすすめる。何処の山へゆくか分からないが、巣の近くなれば蜂多くなり、通ふことも煩雑となる。遂に近づき巣に至るなり。
 (蜜蜂の巣を探すのは)大体暇人に多く、近頃は偶然見附たり。木洞に予め石をつめたり(小穴を残し)する人あり。
 蜜は隠花植物の栂、樅の花は一番良いと云ふことである。

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