余、尋常小学校1、2年頃か、幽かに覚えてゐる。長さ1尺4、5寸の錫杖をジャラン、ジャラン振り鳴らし、一寸山伏風をなした男、突如入り來たりて、祭文なるもの語る。口でデロリンデロリンとはやし、ほら貝を吹くなどしたり、その後遂に見ず。