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易者と医者と山伏が死後道連れになり、西方極樂へ往かんものと或る二股道に差し掛かる。二人は易者に極樂道を占へと云ふ。算木筮竹取り出し、早速易者之を占ふ。閻魔の庁は避けねばならぬ。「ではこちらへ」と、三人は極樂道へ進んで行った。或る所で、突然、赤青の鬼に見つかった。「オーイ、オーイ、その方たち、何処へ参る。」三人「西は西方極樂へ参る」と言ったが、悪運尽き、「こちらへ参れ」と閻魔大王の前に引き出された。
閻魔大王、怒りの形相物凄く、釼の刃渡り、針の山に登れと云ふ。そこで山伏は秘術を使ひ、「イヤオッテレテノサ、イヤドッコイサノサ」など、冗談交じりにへっちゃらでやってのけた。
閻魔大王は非常に怒って、三人を口の中へ投げ込み、飲み込んでしまった。ところで、医者は考慮の上、閻魔を痛い目にあはして逃れんものとして、閻魔の内蔵を掴み、引っ張る。「これはリーのヒーじゃ」「これはヒーのリーじゃ」と引っ掴む。閻魔大王は痛みに苦しみ、死生の苦しみなり。次に医者は、大黄末を臓腑へペタペタ塗り付ける。たうたう閻魔大王、下痢を起こし三人は排泄されたのである。 |
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