余(昭和10年頃)、かねて聞く、これの牙あるに相違なしとて探索、遂に下葛川の東忠光方にあるのを實見した。それは殆ど犬と変はらず。上顎を適當に切り、漆にて顎骨に塗り、穴を通じ紐を通して所持するやうになってゐる。
また、余の遠戚、北山村七色、山口敏夫宅は19代続く旧家なり。ここへも問ひ訊ねしに、ありと云へり。