「御伊勢七度、熊野へ三度び」云々、古より唄はれ、平安朝前後より格別朝廷堂上の信仰厚かりし。この熊野と云ふは、果たして何処の区域を指して云ふのだろう。書物にもあらうが、あまりピンと來ぬ。余、確証もないが大体において、次の部分を云ふのではないかと思ふ。先ず、東方は尾鷲近傍から西は田辺あたり、北は玉置山の辺りではないかと思ふ。