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西洋でもよく云ふ火の玉、又はセントエルモの火など云はれてゐる。當地でも時折火の玉を見た話あり。果たして存在するか否か。余をして云はしむれば、何れとも軍配をあげかねる。實は、余、20歳位の時、大渡の下あたり帰路を急ぎつつありしに、下葛川方面より大杉の前面を掠めて、フットボール位のダイダイ色の赤き火球が猛烈なる速度で空中に飛び去り行きしを見たり。又、小森より文武館へ通学中、小森の中家と云ふ家の門を赤き火の玉くぐり抜けし由聞く。
空電と云ふか、隕石か不思議。この科学の進歩未だしと云ふ訳ならんか。兎も角判らない。その本体が。 |
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注- |
・文中の地名で大渡を王渡と記述してあったが、(51)話のような意図はないので、大渡とした。 |
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