十津川探検 ~瀞洞夜話~
玉置神社の神札(但し祈祷の文言)
   その昔は、『熊野なる玉置の宮の弓神楽、弦音すれば悪魔退く』と、唱へたよし。驚くベきは奥羽地方よりこの札發見されしよし。現在のは、横井小楠を斬った十津川人、宮中に出入りして信任の篤かりし上平主税が、『熊野なる』を『矢的なる』に変へたものと云はれる。この外、同人の示した神代文字又は古代いろは有り。されど、これは信を置き難し。何となれば同人は極端なる国粋論者で外夷を忌みしを思へば。
注- ・上平主税については、(32)(54)を参照のこと
・文中の『矢的なる』は、『やまとなる』と読む。

瀞洞夜話へ