十津川探検 ~瀞洞夜話~
玉置神社に存する神代文字に就いて
   上平主税翁が残したと云はるる神代文字に関して東藤治郎大伯父に語りたる。「横文字横文字と外國の眞似をせいでも、日本にもこんな文字があったんじゃ」と云ったとの事。攘夷論者の錚たる人物及び奈良近辺にて古墳発掘の際、土器などに古代の文字のない事から、いろいろ疑惑をもっていたが、去る2月初旬、あらゆる苦心(研究者がいない為)の末、やっと東京教育大学中田教授と通じるを得、その返信に接した。これによると「日本には古代文字はない」と云ふ事を理論的に説明して下さった。つまり攘夷論者、故意にこれを偽作し(シッタン、諺文など考慮して)漢文や外語に反撥し、攘夷の氣勢をあほったものである。
(29、3、5)
注- ・重複記事である。シッタンは契丹の誤りか。

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