2、3年前に身罷りし杉岡直吉老人(80余歳)が、余に語ったところによると、竹筒の蒸氣船を川向かふの岸迄走らせたと云ふ。多分模型であらう。
又、新宮で重力を利用して之を動力源として何か為さんとて試みたる者ありたりと云ふ。そして之には大きな吊り下げた石様の錐を動かすと、之につながる細部の機械が色々に動いてゐたと云ふ。
注-
・杉岡直吉-田戸の人 東氏の叔父にあたる