十津川探検 ~瀞洞夜話~
蝮の枡型を組む話
   昭和12年の頃、東秀清と云ふ配達夫、玉置山下松平の下において、これを發見、身の毛を立てたと云ふ。最初は一、二匹を發見、叩かんとせるに、よく注意すれば、そこかしこにビリビリ枯れ葉を鳴らす音聞こゆ。よく見れば、いずれもハビにして、その集まりたる大群落を見、ゾッとせり。色の違ひたる大いなるを中心にして、いずれもその廻りに集ひ、鎌首をたて居たりと云ふ。
注- ・東秀清 田戸の人
・「ビリビリ枯れ葉を鳴らす」-蝮は尻尾をたてて警戒音を出すという。
・ハビ-蝮のこと、ハンビともいう。

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