自分19歳の折り、聞いた話である。上葛川の富之内老人、「俺りゃ、若い時白谷山から猪をとって帰ってくる内に日が暮れてさっぱりになった。提灯はないし、松明も早速に出來んし、仕方ないよって山へ火をつけて、その明かりで帰って來たんじゃ」と、話してゐた。實に驚き入った話である。今であれば、それこそ大変である。
注-
・富之内老人-上葛川、椎茸業をする人だった 森下家