昨冬の或る日の事、祖父の寫眞を見てゐた則夫7歳が、ふいに「爺ちゃんの寫眞見よると涙出て來る」とて、頻りに目をこすってゐた。大脳心理上、注意すべき事である。何の之を刺激し、かくなる条件もないに関わらず、である。
注-
・祖父 中森忠吉氏のこと
・則夫 瀞八郎氏の長男