ネズミとりをかけて置いたが、なかなか入らない。店の方にカリントと云ふ好きな菓子があるからである。危険なもの、あるいは不気味なものがあると云ふことを知ってゐるに相違ない。それには通り際に好きなカリントが入れてある。しかるに今朝見ると、一匹見事に入っている。何故か。比較的重大事と思ふ。極めて自然法則通り彼らにも浮かれ男、気まぐれ又はオッチョコチョイがあるらしい。
注-・中原清 田戸の人