十津川探検 〜風俗図絵〜
筏師百態
  図59
(59) 筏師百態
 上図は、筏を少しでも早く下へ流すために、岩の割れ目や穴に棹を差して、筏の先から筏尻まで棹を押して歩く。送り棹と云ふ。この動作は、筏だけの動作で舟ではない。舟の送り棹は、ただ岩や川底に棹を突っ張って舳から艫まで歩くだけである。
 筏の送り棹に利用する岩穴や狭間が宮井より下流の淵では、まるで作った様なのが沢山ある。これは何十年否何百年もの昔から利用する内に自然と磨けて出来たものだろう。
 下手の荒瀬の状態によっては、水流に副はず敢えて逆流する処の磧辺を通すこともある。(左下図)
 水流が急カーブのため、棹や櫂で曲がり得ないときは、綱で引き廻すこともある。(上段右図)

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