十津川探検 〜風俗図絵〜
火打ち石
  図53
(53) 火打ち石−俺が最終に見たのは瀞ホテルの祖母(現主人茂文氏の祖母)が、根付けに木の根瘤を用い、巾着袋へ煙草、火打ち、かど石、かんやを入れて腰に吊ってゐた。
(俺の少年時代、1912年頃)
・かど石……六方石(水晶石)
・かんや……綿に火藥を浸めたもの
・火打ち……鋼鉄
 かど石とかんやを一緒につかんでゐて、かど石に火打ちを打ちつけて、火花を出し、かんやに点じて、それを煙草包み入れて喫う。この發火させることは慣れぬと、なかなか点火しないものだと云ふ。(俺……直晴65歳、昭和43年10月4日、曇天の日)

風俗図絵へ