十津川探検 〜風俗図絵〜
下葛川校
  図46
(46) 西紀1911年(大正8年)、俺が小学校に入った頃の下葛川校(尋常5、6年と高等科1、2年がゐた。)には、校庭の眞ん中に老木で幹の曲がった、花が良く咲く桜があった。この学校創建当時作ったらしい前側の塀が腐朽して、その代はりに杉の小苗が植えてあった。教室の傍らにも山桜が二本あった。
 うしろ側の先生住宅の左端が裁縫室で、生徒のほかに卒業した娘さん達も習ひに来てゐた。
 生徒は、朝登校すると、まづ第一に玄関前に不動の姿勢をとって最敬礼した。それは玄関上り付きの教員室正面に天皇陛下の御寫眞(御眞影と云ふ)があったからだ。左側校合の前側が教室(一室で5、6年と高等科1、2年収容)、眞ン中教員室と標本室。うしろ側(山の手右側)雨天体操場。

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